CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-07-24
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介
繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略 『新規顧客獲得に欠かせない営業施策』



こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
前回は、ランチェスター戦略の“地域戦略”について書きました。
自店商圏は『自店で顧客開拓する』『自店で商品を浸透させる』ことの重要性についても触れました。
これらを競合他店も同様に取組むことで市場の顧客開拓と、お客様が好みの機種となるレパートリーを増やすことができます。
その結果として、市場の活性化への道につながります。

繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略 『増客に欠かせない!郊外型店舗の地域戦略』|CFYコラム:パチンコ業界向け情報発信

こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。ここまで、年3回の大型連休と大型連休の間の期間で考える機種戦略について、その時々での流行や話題性を活用して店内のコーナー作りを見直すことなど書いてきました…

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今回は、顧客開拓によって来店してくれたお客様の『新規顧客獲得』と『リピート』していただくための営業施策について書いていきます。
毎年、引っ越しなどで自然離反は起こるので、減少したお客様以上に新規顧客獲得からリピート顧客、更には来店回数を増やすための取組みをし続ける営業施策にしないと、自店の顧客は減少していきます。
また、8月は年3回の大型連休の一つであるお盆期間があるので、普段はあまり来店しないお客様の新規顧客獲得とリピートも重要なタイミングになります。

新規顧客獲得とリピートは“5つのつながり”作りで!


お店に来店しても離反するお客様は、お店で何かしらの価値あるコトとつながりが出来なかった結果です。
リピートする飲食店は、好きなメニューと好みの味、好感の持てるスタッフ、お店の雰囲気や利用シチュエーション、地元での関係、お店の想いなど、何かしらに価値を感じて“つながり”ができた結果としてリピート利用します。

自店に来店したお客様も、自店の何かに価値を感じて“つながる”ことが継続来店への道になります。

“5つのつながり”とは、

  1. お客様と台のつながり
  2. お客様とスタッフのつながり
  3. お客様とお店のつながり
  4. 地域と自店スタッフや会社とのつながり
  5. お客様とコンセプトのつながり

商売の基本としては、≪①お客様と台のつながり≫が必須で、好きな機種が無ければどんなにスタッフと仲良くなっても、お店の取組みが良くても来店してくれません。
よって、新規顧客獲得に欠かせない営業施策としては、①を実現するためのものになります。
ちなみに、私が出張で行く長野駅近くに個人経営の居酒屋があるのですが、かれこれ7年くらい通っているので店主も顔を覚えてくれているだけでなく気さくに話もします。
私がこのお店とつながっている理由は、①では『唐揚げ』とのつながり、②では店主とのつながり、③ではタバコが吸えるお店という感じです。
特に①と②が私にとっては“つながりが深い”ものになっているので繰り返し利用させてもらっています。

≪稼働を上げる≫4つの視点


イン玉やイン枚は機種の射幸性も関係しますが、≪稼働を上げる≫ときの土台となることは4つの視点で考えます。

  1. (1)
    既存顧客の来店回数をどのように増やすか?
  2. (2)
    既存顧客の滞在時間と遊技時間をどのように増やすか?
  3. (3)
    競合他店から顧客をどのように奪うか?
  4. (4)
    市場開拓で新規顧客をどのように獲得するか?

(1)~(4)を実現するための営業施策があるかがポイントです。

(1)の、来店回数が増えるのは『機種に対する好きレベルが上がるとき』になります。
異業種でも同様ですが、好みのラーメンにハマっているときは、そのラーメンを食べる頻度が高まります。
日常でも好きな趣味や好きなコトに対しては試行回数が高くなるというものなので、お客様がハマれる機種が見つけられるようにサポートする営業施策の取組みになります。
それと、お客様のお財布事情が寂しかったり、遊技時間が短いときでも『一勝負できる機種のレパートリーがある』ことです。
(1)は、『好きレベルの高い機種がある』『一勝負できる機種レパートリーがある』ことを営業施策でサポートすることで、どちらも『レパートリーを増やすための取組み』となります。

これはスタッフの機種営業力で「打ってみよう!」と思う営業施策や、販促物で「打ってみよう!」と思う価値提案内容を盛り込むことになります。

(2)は、(1)が実現できると、「最後の一勝負」「○○は調子が悪いから◇◇を打とう」など、複数機種を遊技することで滞在時間と遊技時間が伸びる可能性が高まります。

(3)は、競合店との比較で『優位に立つこと』になるお店全体の差別化価値レベルを上げる営業施策です。

(4)は、自店商圏で新規顧客(新規ユーザーも含む)の開拓を営業施策で行い来店してもらうことです。

大型連休がその後の稼働アップチャンスとなる理由とは?


年3回の大型連休の重要性については度々お伝えしていますが、『新規顧客獲得』と『リピート増』による稼働アップへの道筋として大切なことがあります。
冒頭でも書きましたが、『普段はあまり来店しないお客様も来店する可能性が高まる』ので、そのお客様の『来店回数増』が実現できれば、お盆明けから年末に向けての稼働アップチャンスとなります。
これは、通常では土日のみの来店顧客が、好きでハマる機種が出来る事で仕事帰りなどの平日にも来店するということと同様です。
『普段はあまり来店しないお客様』が何名リピートしてくれるかが課題となります。

『普段はあまり来店しないお客様』や、月の来店回数が2~4回くらいのお客様は基本的に『機種に詳しくない』『機種レパートリーが少ない』『新しいレパートリーが増えていない』傾向があります。
ちなみに、超常連様で毎日来店する低貸のお客様でも、『機種レパートリーが少ない』方は沢山います。
実際にお客様と会話している皆様はご存知のことだと思います。
そして、お客様を増やすというのは、“減らさない”取組みもセットになります。
普段はあまり来店しないお客様が来店してくれた大チャンスで、「今の台はよくわからないから楽しくなかった」「好きな機種が無くなっていて、適当に打ったけどお金の無駄だった」なんてことになれば、『普段はあまり来店しないお客様の完全離反』になる可能性が高まります。
そうなると、次の年末年始の大型連休時には来店しないことになってしまいます。
増やすことは減らさないことと常にセットで取組む必要があります。

新規顧客獲得とリピートにおける営業施策を考えるときの前提は?


前提は、『機種に詳しくない』という一点です。
これは繰り返しコラムでもお伝えしていることですが、若い方たちは意欲的なので自分で調べてくれる傾向はあります。
「今は何が流行っているのか?」「人気がある機種は?」「出玉が沢山出る機種は?」「勝率が高そうな機種は?」・・・・・など、自分で調べるのとお店でおすすめしている機種などの情報を得て機種選択していきます。
ちなみに私の息子は完全離反してしまいましたが、知っているコンテンツの機種を遊技して、つまらなくて離反してしまいましたので、若い方々全てが自ら情報収集してくれるとは限らないという見方も必要です。

いずれにしても、機種に詳しくないという前提で考えたとき、『どのような伝え方が良いのか?』となります。
これを営業施策として実施するときは、販促物やスタッフが活躍することになります。
販促物で伝える場合は、≪目に触れる効率は良いが、内容によっては伝わる確率が低い営業施策≫になります。
スタッフが伝える場合は、≪顧客接点としての効率は悪いが、お客様が何かしらの台とつながる確率が高まる営業施策≫になります。
よって、販促物は【打ちたくなる価値が伝わる内容】を練り、スタッフは【打ちたくなる内容を話せる】営業施策に出来るかが課題です。

つながりやすい機種の訴求を充実させる


ターゲットを明確にすると、どの機種を訴求するかも絞りやすくなりますが、基本的には『現時点でつながりやすい機種』の訴求が優先順位としては高くなります。
スタッフの方が会話できれば、お客様の好みなどをヒヤリングしながら適切な機種を提案することが可能になるので【顧客接点の効率は悪いが新規顧客獲得とリピート確率が高める】可能性が高まります。
販促物の場合は、機種に詳しくないライトユーザーの方へ訴求する基本的な順番を武内は作っています。
機種に詳しくない状態の普通の人が、普通に考える流れにそうように訴求する機種を伝えていくことです。

基本的な順番は、

  1. 新台(直近の導入機種)
  2. 準新台(前回入替機種)
  3. 定番機種(海・エヴァ・リゼロ・ジャグラー・北斗……)
  4. 現在進行形での人気機種(東京喰種・からくりサーカス……)
  5. 確率帯別、タイプ別の中での人気機種

機種に詳しくないお客様に“できればつながって欲しい機種”としては、③と④や⑤のお客様に合った機種になりますが、ここが少し難しいところです。
詳しくないからこそ新台が一番の選択肢になりやすいのですが、そもそも『新台が長期使用できる機種か分からない』ので、お店の中では③と④が目立つようなプロモーションにしたほうが良いです。
これは多くのお店が目立つプロモーションにしているのですが、自店がそうなっているかを再度確認することをおすすめします。

一般的な『言葉』伝えることが有効!?


機種に詳しくない&ライトユーザーの方という前提で考えると、業界用語の販促物は『伝わらない販促物』になります。
賛否両論ある言葉としては、≪王道≫があります。(クライアント様でも議論になる言葉ですが)
例えばエヴァの販促物として≪王道≫が使われている場合、お客様が「長期的に人気がある機種」として認知してくれればいいのですが、私としては≪ロングセラーの人気機種≫という表現をおすすめします。
後は≪LT3.0プラス始動!≫という表現も見られますが、この言葉の下に一般の人が認知できる言葉を加えることもおすすめします。

私たちにとっては業界用語も当たり前になっているので認知している言葉ですが、販促物は『伝えること』によって『伝わる』という結果が重要です。
伝わらない販促物は販促物とは言えず、目的が賑やかしであれば問題ないのですが・・・。

おわりに


お盆前の最終入替が8月4日(月)からになると思いますが、お盆前の集客施策で「休みになったら行ってみよう!」「何か変わったみたいだから行ける日に行ってみよう!」「ちょっと覗いてみよう!」という気持ちになってもらい、来店したお客様が「面白い機種を見つけた!」「また打ちに来よう!」と思う営業施策でリピート促進を行う流れがあるかの最終確認段階です。
集客施策とは関係なく来店するライトユーザーの方々もいるので、そこから来店回数を増やしてもらえるかはお店に営業施策にかかっています。

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このコラムを書いたのは
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介

パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。

2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。

近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。