2025-10-01
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー 渡邊 龍信
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー 渡邊 龍信

9月の動向と不景気による11月の最悪のシナリオを回避するには?
業界情報
いつもCFYコラムを御愛読いただきありがとうございます。船井総研の渡邊です。
9月は想像通りよくない結果でしたね。8月が思ったよりも良かったのもありますが、その遊技疲れ、年金非支給月の影響なのか芳しくない結果が多いです。さらに追い討ちをかけるようにJAの新米囲い込みによる概算金大幅増を受けて、米の値段が下がるどころか上がってくる運びとなってきております。余暇産業としては、かなり打撃を受けてくる流れになってるので、11月はとても心配になる月となります。
9月売上実績から見える厳しい現実
2025年9月売上は先月対比で
4円 | 90% |
1円 | 92% |
20円 | 92% |
全体 | 91% |
でした。
また去年対比では
4円 | 105% |
1円 | 113% |
20円 | 116% |
全体 | 112% |
という結果でした。
この4ヶ月の客数比率推移として
6→7→8→9で、
4円 | 22%→24%→23%→23% |
1円 | 32%→31%→31%→31% |
20円 | 45%→45%→45%→45% |
という推移でした。
パチンコスペック上昇の限界と課題
正直、パチンコスペックを上げるのは遅すぎましたね。コロナ以降急激に落ちたパチンコマーケットにおいて、上げたところで限られたマーケットにおいては不調となっています。大型店や1番店では耐えてるものの、中小にはかなり厳しい結果となっています。TS低い入り口にしていかないとお金がもたない現状ですね。
4円マーケットとしても+1-2%程度とあまり増えていない状況となっています。何よりも粗利が取れないという結果が出ているところが多いです。何がとは言えませんが、この分野において徹底的に研究をしていかないことには、スロットでただでさえ粗利率が下がってる状況もあり、パチンコも取れないとなるとさらにジリ貧になっている状況になっています。
年末機械導入戦略の重要性
この状況下で、12月にはまた大量の機械が出てきますね。機械予算が足りません。年末だけのことを考えるのか、来年の機歴も考えるとあれもこれもいるよねという状況です。評価をよく問われますが、私としてはダントツで台数少ない方になります。いろんな情報に加えて、どこの客数シェアを奪うのかを考えた際に、移動することも考えづらいからです。
10,11,12月とスロットも多く出てこない中で、1月にズドンと出てきます。こちらが本命として、それまでの間は機械パワー不足になります。そのため、年末に向けた流れの中では、スロットは集客をかけていく必要があり、パチンコは購入していくことと、特定日集客チャレンジは必須かと思います。
特定日集客の成功要因分析
ゾロ目を筆頭に、スロットにおける特定日集客はうまくいってるかと思いますが、パチンコはうまくいってない店舗が多いです。その中でも集客がうまくいってる店舗はオススメ機種をうまく活用していますね。
オススメアピールが出来るようになり、そこをうまく活用できてない店舗が多く、出しっぱなし店舗も非常に多い印象をうけます。せっかく出来るようになったので、これをうまく集客に結びつけられるかを繁盛店研究していく必要があります。
そもそも、特定日集客が出来ていない店舗は早急に実施していく必要があります。月間を通して、来店が増える店舗を作っていかないことには、売上が上がってきません。ここの動きをきちんとしていきましょう。
不景気が招く11月危機への対策
冒頭でも触れましたが、不景気の波が押し寄せてきてます。この流れは余暇産業のパチンコ業界に対してかなり不利で、11月かなり苦戦します。特に1円パチンコの安定粗利部門ですね。4円はまだ機械投資をかけていますが、そのおこぼれで1円のミドル以上は耐えれてます。ただ、甘デジ以下の部分に対しての投資が一切されていない状況があります。
もちろん不景気によるマーケット縮小もあります。計画を作る上で、高単価部門は希望的観測をいれますが、低貸はこの数字があって当たり前という感覚が働きます。そのため、そこが崩れると一気に全体が崩壊します。なので、11月はそれが起こりやすいタイミングになります。
低貸ユーザー維持戦略の重要性
業界全体で見ても、この時期の低貸ユーザーの動向が全体の売上を左右することは過去のデータからも明らかです。閑散期に入る9月後半から12月中旬にかけては、基本的に守りの期間となります。太陽が沈むのも早くなり、だんだんと寒くなって家路を急ぐようになる季節的要因も重なります。
そのため、低貸ユーザーの再来店率を下げない取り組みを10月後半から仕掛けていくようにしています。具体的には、1円パチンコエリアでの細やかなサービス向上、甘デジ以下の機種への適切な投資配分、そして何より顧客一人一人との接点を大切にする営業姿勢が求められます。
この厳しい局面を乗り越えるためには、短期的な売上追求よりも、顧客基盤の維持と質の向上に注力することが肝要です。11月の最悪シナリオを回避するためには、10月の取り組みが全てを決めると言っても過言ではありません。
閑散月を乗り越えられればそこからは繁忙期に入るため、ここは何としても乗り越えていきましょう。
今回の記事を御愛読頂いた皆様限定で、30分のオンライン無料相談・情報交換を実施させて頂いております。上記の内容や、今の全国事例なんかも共有出来たらと思っております。CFY様にお問い合わせください。皆様とお会い出来ることを楽しみにしております。
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このコラムを書いたのは

株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー 渡邊 龍信
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー 渡邊 龍信
国立大学 理学部数学科卒業。国立大学大学院 応用数学科卒業。アミューズメント支援部新卒入社史上最年少でチームリーダーに着任から、最年少でグループマネージャーに着任。400台以上の大型スロット専門店立ち上げ実績は10件以上携わっており、スロット増台成功実績は40件以上、多数の20円スロット業績アップ実績をもっている。直近2年間の高射幸機に頼らない増収増益方法を指導しており、20円スロットの業績アップの実績は、元スロプロで培った超ユーザー目線と、大学での数学の知識を駆使した数理マーケティングで「 高精度な 」時流予測とスロット機種分析によって実現している。