CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-09-17
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人
ゼウスの神言 ~【集客】・【増客】・【ファン人口】それどの視点で語るの?



その昔、「1995年~今からちょうど30年前」、【パチンコ店舗数=18,000店舗】【パチンコ参加人口=3,000万人】【売上=30兆円】と言われた時代があった。それが今や【パチンコ店舗数=6,500店舗】【パチンコ参加人口=700万人】【売上=15兆円】と言われる時代になりました(涙。



こうなってしまった原因はただ一つ、『参加人口が減った事』に尽きる。
ホール現場的に言うならば、単純に『来店する客数が減った』と言う事になりますね。
それに伴って、結果的に【店舗数の減少】が必然の流れになっているが、それに関しては客数の減少だけが要因では無く、【店舗台数】の項目を見て頂ければ分かる通り、台数規模が「30年で2倍!」になっています。
要は「店舗の大型化」が進行し、その代償として小規模店舗が閉店を余儀なくされた訳で、そりゃ、参加人口が変わらなくても、その段階で『店舗数は半分になりますってば』(汗

様々な状況変化があったココ30年の業界変遷ですが、「過去は過ぎた事」として、次の業界未来を語るにあたって、最大のテーマは【客数減少の下げ止め】 と【参加人口の増加】に他ならないでしょう。
当コラムでは、その点において、思考の分解をしてみたいと思います。

思考の基準は、【バケツ理論】から始めるべき。


誰もが知っている【バケツ理論】だが、いわゆる「穴の開いたバケツに水を入れ続けてもバケツの中の水量は変わらない」と言う例え話になる。
コロナ禍直前の2018年の参加人口は「950万人」とされている。その後様々な要因はあれど、結果的に参加人口は減り続け、「現状700万人前後」で一旦ストップしている。(※レジャー白書参考)
そこで、今業界側が考えるべき近々の施策は、【①:今の700万人を減らさない事】と、【②:更なる参加増客を作る事】にある。
だがしかし・・・現状は「新規顧客獲得」「若年層への訴求」等々、増客戦略は論じられ予算等価されるものの、現状維持への施策はホール任せになっている様相を呈している様に見受けられる。
そのホールとしても、新台入替やイベント策含め「今日の集客・他方からの集客」への予算は投下しているものの、常連と呼ばれる現在顧客の再来店への施策は、片手落ちの気配すら感じる今日この頃でもある。
本来ならば、先ずは「下げ止める施策」があってから、次の「増やす施策」を実行する事が理想である。

【ホール施策】としての、主な「4つの施策」を思考してみる。


(1)毎月やってる【新台導入】策について。

時の「注目機種導入」は、競合他店舗とのバランスを取る為の【お客様を減らさない施策】になる。
⇒これを「増やす施策」と思ったりするから、費用対効果に対して『効果が薄い』とか言う話になるだけ(汗
⇒「増客を狙う」のであれば、競合他店舗に対して「圧倒的多台数」もしくは「自店舗だけ導入」をする事になる。

(2)最近忘れがちな【女性顧客率】の向上について。

女性顧客数を「高い占有率」で安定させる事は、【お客様を減らさない施策】になる。
⇒「高い数値」とは、店舗格差はあるとして基準値は「海物語」と「1パチ」の情勢比率になる。
⇒自店舗のエリアで「女性客の着席率が高い機種の傾向」を把握する事が、女性客増加への第1歩です。

(3)最近増えた【演者・ライター等の来店】について。

基本的には「来店動機を作る」為の広告宣伝である以上、【お客様を増やす為の施策】になる。
⇒決して「赤字を出す」事が目的では無い。目的は「来店動機を作る」と言う思考が優先順位の上。
⇒効果測定は「①売上上昇分の金額」・「②平均アウト上昇数&率」・「③午前中の滞留客数」がポイントに。

(4)将来的な対応施策としての【インバウンド対応】ついて。

基本的に「都市部」や「観光主体地域」においては【お客様を増やす為の施策】になる。
⇒重要な事は、地域行政との情報共有により、『どの国からの来訪が多いのか』を把握しておきたいところ。
⇒「遊技説明」より先に、「トイレ」「喫煙」等のホール環境の説明を「英語表記」から始めてみてはいかが?

(※)業界課題としての【依存問題】ついて。

行政からも強い要望がある「自己・家族申告プログラム」は、【顧客数の変化が無い】施策になる。
⇒現在営業をしている店舗は『ホール業界100%』で対応する事が当然でありマスト事案である。
⇒2025年秋以降「大阪IR」の始動により、行政側の指導力も問われる事になるでしょう(汗)


全国または店舗エリアでは【増客】を考え、1店舗単位では【集客】を考える。


そもそも、『【増客】と【集客】は全く異なるモノ』と考えるべき事で、必然的にその施策も異なる事になる。
例えば「ファン感謝デー」などは【エリア増客戦術の一つ】であり、よって店舗全体で取り組む施策になる。

また近年において重要なのは、【新台入替】は既に『集客戦術では無いと言う時代』と認識しておく必要性がある。
あくまでも、各店舗において「現状の来店客数を維持する為の施策」であり、新台入替に関する費用対効果に対して、増客・集客への過度な期待は不要と認識を改め、コスト計算をすべき時代でもある。
・・・と言う事は、【店舗のおける増客】を考える際は、新台入替頼みの戦略に加え、更に増客戦略をプラスする必要と言う事になります。
しかしそれは新しいチャレンジとして、「トライ&エラーが付き纏う」事も承知しておかねばなりません。

いずれにしても「穴の開いたバケツ」のままでは、増客・集客コストが掛かるだけで、実質的な参加人口の「プラスマイナスでの増加」と言う結果にはならない訳で、先ずは穴を塞ぎつつ次の増客戦略を考え、それを継続して行く必要性があるでしょう。

再確認~【1.2×1.2×1.2=1.7倍】と言う計算式。


このコラムでも再三申し上げている事ではあるが、現状のホール営業において「アウト値のアップ」を考える際には、【3つの掛け算】が重要になります。
それが・・・【来店実質顧客数×期間来店回数×稼働時間】です。

(※「実質顧客数」とは、人数調査の際の人数では無く、1日に来店した顧客数になります)
この【3つの項目】をそれぞれ「20%アップ」することが出来れば、アウト値は1.7倍になると言う事です。
そして、その施策は『それぞれが異なる』事になります。

【実質顧客数】は、過去の「休眠客の再発掘」や「近隣店舗からの誘引」等々が考えられます。
【来店回数】は、現在顧客の「月来店数の把握」から始まり、「月5回を月6回に」してもらうイメージです。
【稼働時間】は、「1機種での稼働時間を増やす」施策や、「もう1機種打ってもらう」施策が考えられます。

いずれにしても、これらは「新規顧客の獲得」と言う思考・戦術では無く、基本的に『(過去の顧客含めて)経験者へのエンゲージアタックに分類される』と言う事です。よってどちらかと言うと【お客様を減らさない施策】の延長線上にあると言えるでしょう。

そのあたりの思考手順も含めて、今後の営業向上に寄与出来ます事を願っております。

※このコラムは、無料コンテンツに該当しております。情報共有可としますが、転載・改ざん等はお控えください。また、文章・資料等の所有権は、「有限会社トータル・ノウ・コネクションズ」に帰属いたします。


有限会社 トータル・ノウ・コネクションズ
住所
長野県長野市大字小島325-3
TEL
026-256-9677
FAX
026-256-9688
ホームページ
http://www.tkc-g.jp
メールアドレス
info@tkc-g.jp

株式会社CFY公式ラインでは
パチンコ業界セミナーや業界時流の情報等、パチンコ経営に役立つ情報を発信しています。
友達登録をぜひ、よろしくお願いします。

このコラムを書いたのは
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人

1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。

有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。

現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗