2025-10-22
リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介
繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略 【弱者の差別化戦略≪今こそ!営業スタッフ育成のチャンス!!≫】
業界情報
こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
9月のコラム【年末年始の顧客増を実現する鍵は“重要機種や重要カテゴリー”の認知向上】をクライアント様の幹部社員が読んで、「ランチェスター戦略で学んだ“営業戦略編”の内容も年末に向けて強化する必要がありますね!」と話してくれました。
こちらの店舗では、機種確率によるコーナー分けに留まらず、現在の人気機種、短時間遊技機種、ハネモノや特殊な機種、デカへそ機種、ボーナストリガー、純増・・・など、お客様がどのような体験価値が得られるかも含めてコーナー分けをしています。
コーナー入口には興味関心が高まる体験価値視点の訴求ポスター(吉野家の「うまい、安い、早い」のような表現)も配置して、コーナー内への誘導も丁寧に実施しています。
更に、台上のポップでも自社オリジナルで、機種の特徴が分かるものを作成して「打ってみようかな」という気持ちを喚起させる取組みもしています。
9月のコラムで書いた重要機種や重要カテゴリーの認知向上に関しては準備万端で、特に平日夜や週末のライトユーザーの方々には「かなり分かりやすい!」という感想も頂いているようです。
ここまで丁寧に実施しているのですが、更に差別化戦略として「年末年始に向けて、ちょっと疎かになっていた営業スタッフの取組みも強化します!」ということでした。
今回のコラムでは、「何故、今こそ営業スタッフ育成が大切なのか?」についてお伝えします。
≪営業スタッフ≫とは?
私がランチェスター戦略の営業戦略編でパチンコ店に応用してお伝えしていることが、「接客スタッフから営業スタッフへ役割を変える」というものです。
異業種の営業パーソンは、『自社の商品をお客様に営業して販売する役割』になります。
販売することが売上になるので、パチンコ店においては『営業スタッフ=お客様と台をつなげてレパートリーを増やす』ことで売上につなげるスタッフとしています。
機種の特徴やお客様にとっての価値を提案して、「打ってみよう!」という気持ちの喚起は、異業種であれば『商品やサービスを販売した』状態になります。
ランチェスター戦略の≪営業戦略編≫
ランチェスター戦略は、弱者(1位以外)は差別化戦略、強者(No.1のみ)はミート戦略というセオリーがあります。
弱者と強者はお店全体のシェアではなく、競争局面毎に分けて考えるので、パチンコとスロット別、レート別、コーナー別、機種別、顧客層別、時間帯別などなど、いろんな競争局面で弱者と強者は入れ替わります。
そして、弱者の5大戦法と強者の5大戦法をヒントにして「どのような戦い方をするか?」を考えていきます。
弱者の5大戦法の中にある、接近戦は『お客様との距離』となり、究極の接近戦は直接の会話になります。
ランチェスター戦略の営業戦略編は、一般的には自社が選定したエリアや顧客に向けて、営業パーソンがどのような営業活動を実施するかを考えるものです。
その中には『新規顧客獲得のステップ』『営業パーソンの活動回数を増やす方法』『顧客に応じた接触回数の設定』など、具体的に顧客を獲得していく戦略と方法になります。
この営業戦略編をパチンコ店に応用するときに欠かせないのが営業スタッフ=お客様と台をつなげてレパートリーを増やすになります。
究極の接近戦となる直接の会話は、『効率は悪いが効果が高い営業施策』です。
実は『効率は悪いが効果が高い営業施策』が、今こそ店舗営業を強化する差別化戦略の一つになっています。
ちなみに、ネットやSNSの情報でライトユーザーの方々がレパートリーを増やすことが出来れば効率が良い営業施策になりますが、新たなレパートリー探しや新機種の情報は『店舗内のポスターや掲示物で知る』のがライトユーザーです。
よって、ライトユーザーの方々には、ネットやSNSは『拡散効率は良いが効果が低い営業施策』ということになります。(あくまでも比率として)
何故、≪今こそ!営業スタッフ育成のチャンス!!≫なのか?
冒頭で紹介した店舗の幹部社員と話していて、現在の競合店がどのような店舗設備環境と、店舗プロモーション状況なのかを踏まえて、「やはり営業スタッフ育成強化が差別化になりますね!」という結論になりました。
パーソナルの普及でドル箱交換の作業がかなり前から無くなった店舗、スマパチやスマスロの設置が増えることでもドル箱交換という作業が減少しています。
島設備や機械台も進化しており、昔に比べて故障やトラブルも減少しています。
平均稼働も下がっているので、なおさら故障やトラブルの発生率は下がります。
私が現役時代の20年前に比べて、機械のゴト師対策や不正対策も良くなっています。
更には、景品カウンターも無人化になったりして、大型店でも店内のスタッフ数がかなり少ない状態で営業でき、人件費の削減や効率化を進めてきていると思います。
こちらの店舗でも少ないスタッフ数でお店を回しているのですが、競合店(3店舗)は時代の変化に対応した無人化に近い店舗になっているとのことでした。
どちらも力のある法人様なので、それぞれの競合店がお互いに何をやっているのかを意識して切磋琢磨してきた結果が、どの競合店も同じような設備環境と店舗プロモーション(機種のイメージ訴求はしているが、機種が分かる訴求はしていない)になり、ライター合戦をしている状況です。
(この状態を否定しているわけではなく、クライアント店舗も含めて切磋琢磨した盛り上がりを感じるエリアです)
クライアント様では、新人スタッフが先輩社員と競合店視察をしているのですが、パチンコやスロット経験の無い新人スタッフが、「パチンコやスロットの専門用語は分かりませんが、うちのお店が一番いろいろ分かりやすいですね!」と話していました。
今こそ!営業スタッフ育成のチャンス!!の理由は、全国的にも時代の流れと共に『スタッフの役割』を見直すタイミングと言える店舗環境になっているからです。
ドル箱交換やトラブル対応などの仕事が減っているからこそ、【営業スタッフの育成を強化して、スタッフの仕事を“お客様と台のつながりを作る”時間を増やす】という仕事の見直しになります。
差別化価値は≪相対的視点≫で!
営業スタッフ育成強化によるお客様のファン化に関しては、競合店の営業スタイルと相対的に比較する必要があります。
「機種の説明が出来る状況をどこまでやったらいいのか?」に関して、競合店でもパチンコやスロットが大好きな営業スタッフとしての役割を実施している店員さんもいます。
よって、自店と競合関係にある店舗の実施状況も調べて、お客様が他店よりも価値を感じる差別化レベルの営業スタッフ育成が求められます。
更に、現在はどちらの店舗様もスタッフ数は少なめなので、『どのように接触回数を増やすか?』『どの曜日や時間帯で営業スタッフの活動を増やすか?』『どのようなお客様を対象に実施するか?』『お客様と接触して会話をする方法は?』『どのような内容の会話をして、「打ってみよう!」という遊技意欲を高めるか?』を計画して、実施する内容を練るからこそ差別化価値としてのレベルを実現していけます。
実際の実施方法として
営業スタッフの活動として準備することはいろいろありますが、「全ての機種を記憶する必要は無く、店内のプロモーションを活用して機種の会話をすることが大切です」とお伝えしています。
そもそも、店舗スタッフが仕事時間を割いて全ての機種を覚えることは現実的では無いので、店内プロモーションのポイントをお客様と会話することを中心に、スタッフが遊技して面白かったポイントや、出玉がたくさん出た話、自分が好きな機種なども織り交ぜての会話になります。
店内プロモーションを活用する理由はもう一つあります。
ポスターに機種の特徴、打ちたくなるポイントが書かれている状態に限りますが(機種名だけのポスターはダメです)、ポスターや台上ポップを見ながら話をすると、『聞いたお客様がポスターや台上ポップの見方が分かるようになる』からです。
次に来店した際は、お客様がプロモーションツールを見て、自分で機種を探すことが可能になってもらうことが目的です。
おわりに
営業スタッフ育成強化だけで業績が上がるわけではありません。
しかし、スタッフとの会話で機種のレパートリーが増えたお客様はリピート確率が上がります。
スタッフとの会話は、とにかく効果が高い営業施策になります。
プロモーションも充実させることが必須ですが、『やらないことの結果はゼロ』です。
他店が実施していなければ、スタッフとの接点作りは魅力の一つにもなります。
優しいお店、丁寧なお店という“お客様とスタッフのつながり”も店舗を選択する大切な要素です。。
次回のコラムは、クライアント様で重要な課題になっている『スタッフの業務見直し』について書こうと思います。
今回のコラムでも触れましたが、昔とは業務内容やスタッフの役割が大きく変わっています。
どのような業務内容にするかが、今後の店舗づくりにも関わる重要な課題となります。
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リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介
パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
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