2025-09-24
リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介

繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略 『年末年始の顧客増を実現する鍵は“重要機種や重要カテゴリー”の認知向上』
業界情報
こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
8月のコラム【年末に向けた増客とライトミドルの可能性を探る】では、お客様がファン化する要素(好きレベルが高まる体験価値)と、ライトミドルの親和性についても触れました。
前回も書きましたが、
『好きレベルが高まる体験価値』は、
- ①当り体験
- ②当り体験×交換体験(負けたとしても)
- ③当り体験×交換体験×勝ち体験
の3段階があり、[①<②<③]の順にパチンコやスロットを好きになるレベルも高まる体験価値になります。
この体験価値の中でも、『適度に当り、適度に出玉がある』のが現在のライトミドルの確率帯になります。
細かく機種を見れば、1/99の機種でもRUSH突入が低めのものは勝ち額としての適度な出玉があるので親和性は高くなります。
ライトミドルと一括りにもできない状況にもなっていますが、1/180±50くらいの確率帯をイメージしています。
そこにデカへそが加わると、超短時間遊技の可能性も高まります。
という話は前回の繰り返しになりますが、e機やLT3.0プラス、スロットもBT機などが登場して、現状の設置機種は以前にもまして【さまざまなカテゴリー】に分けられます。
パチンコも[ミドル・ライト・甘]というカテゴリー分類できたのは遥か昔です。
スロットも同様で、[AT・ART・RT・Aタイプ]という4つのカテゴリー分類では不足しています。
そこで今回のコラムは、【年末の顧客増を実現する鍵は“重要機種や重要カテゴリー”の認知向上】について考えていきたいと思います。
年末年始の顧客増は既に始まっているという認識もとても重要になります。
ランチェスター戦略の基本は≪分けること≫
ランチェスター戦略のインストラクターになって18年ほど経ちますが、異業種でもパチンコ業界においても基本中の基本である≪分けること≫は今も昔も同様に最重要課題です。
戦う市場で分ける(地域戦略)、顧客や商品で分ける(シェアアップ戦略)、タイミングで分ける(市場参入戦略)など分け方はいろいろあります。
しかし、商品に関してのパチンコ業界・・・現在の店舗を見ると「4P・1P・20S・5S」はお客様も理解していますが、そこから先のカテゴリー分類に関しては『分かるように分類している』店舗もあれば、『何が何だかわからない状態』の店舗もあります。
≪分けること≫が基本となるのは、「勝てる部分、勝たなければならない部分、勝ちやすい部分、No.1を目指す部分、資源を集中する部分を決める必要がある」からです。
戦い方の基本は『各個撃破』になり、優先順位をつけながらランチェスター戦略“3つの結論”である『足下の敵攻撃の原則(勝ちやすきに勝つ部分から)』『No.1主義(他店が逆転しにくい状況)』『一点集中主義(部分で他店を上回る状況にする)』を応用して戦うことになります。
これは、自社や自店だけが把握するだけでなく、お客様も分けていることを知る状況が重要になります。
分解とは≪分けるから解る≫というもの
自店の戦い方を決めるというのは、どのようにしてお客様を増やしていくのかを決めることです。
どのカテゴリーでシェアを上げるのかを考える時は≪分ける≫ことが必須で、自店で戦い方を決めるときにも≪分ける≫ことが必要ですが、その≪分けた部分をお客様に知ってもらう≫ためにも必要なことになります。
増客の重要課題は、いつの時代も『未経験者⇒ビギナー⇒ライトユーザー⇒ヘビーユーザー』の流れを自店商圏で実現し続けることです。
同時に、各段階での離反を回避することも必須で、漏れバケツ理論の考え方にあるように、離反の穴(バケツの穴)を極力塞いでいく営業施策が欠かせません。
離反の穴を塞ぐ方法として一番重要な取組みは“お客様と台をつなげる”ことで、お客様が好みのレパートリー機種を持っている状態をお店がサポートする営業施策です。
その大前提として、機種のカテゴリーや機種を≪分けるから解る≫という状態にすることが求められます。
年末年始の自店稼働は来店したいと思う人の数で決まる
お客様はご自身の都合の良いタイミングで来店します。
「自店の新台初動は、自店の新台をどれだけのお客様が導入されたら打ちに行こう!と思っているかにかかっています。」
と、常々お伝えしています。
これは、「新台が入る」という認知だけでは打ちたいと思うお客様(特にライトユーザーの方々)の絶対数は増やせません。
機種名だけの新台入替ポスターが散見されますが、知らないコンテンツの場合には興味レベルは高まりません。
逆に、好きなアニメやコンテンツの場合には自然と興味レベルが高まります。
よって、新台入替ポスターに欠かせない要素は、『機種名』と『興味レベルが高まるポイント』の訴求になります。
例えば、「継続率80%×MAX9000」という特徴の機種がある場合は、この数字をポスターに入れることが興味レベルを高める基本的な訴求になります。
興味レベルが高まったお客様が「導入されたら打ちに行こう!」という状態になる確率が高まるので、その絶対数が自店の新台初動を決めることになります。
簡単な式にすると、
≪認知量(人数)×興味レベル=集客&リピート量≫
となります。
これは新台に限らず、現在の『デカへそ』『LT3.0プラス』『ボーナストリガー』なども同様で、年末年始の連休までにどれだけ自店や商圏のお客様に≪認知量×興味レベル≫を高められるかが来店動機の鍵になります。
だからこそ、≪分けるから解る≫ということを、来店動機になる可能性のカテゴリーや機種に関しては営業施策で実施していくことが欠かせなくなります。
(ついでに)集客施策は『信用』が大事
これは皆様も分かりきったことだと思いますが、年末年始の大型アクションの集客力を高めるために必要な式をお伝えします。
これも簡単な式になりますが、
≪認知×信用レベル=期待レベル≫
という、アクションに対する信頼度が高いほど期待レベルも高くなるので『来店動機が強まる』ことになります。
逆に、ガセという認知になると効果の無い集客施策になります。
そして、
≪期待レベル×情報認知×人数=来店絶対数≫
となります。
大型アクションというインパクトだけでなく、毎月の営業施策においてもコツコツと信用レベルを高めることが大切なので、【年末年始の顧客増を実現する鍵は“重要機種や重要カテゴリー”の認知向上】と、【今からの信用レベル向上(年間を通して)】となります。
年末年始の集客に向けて、どう分けるか、分けたものをどう伝えるか
年末年始の集客は、10月11月12月の期間でどのように≪認知量(人数)×興味レベル=集客&リピート量≫を実践するかと『何を伝えるか?』を考える必要があります。
12月の新台はeエヴァやe北斗が話題になるとは思いますが、「話題性は掛け算で使うとより効果が高まる」ものです。
今回の期間でおすすめするカテゴリーは、『デカへそ』『LT3.0プラス』『ボーナストリガー』という特徴の機種やコーナーに加えて、『現在の人気機種』『定番機種の後継機となるeエヴァやe北斗』の事前認知などは必須です。
スロットも『人気継続中』の機種や『BT』は必須です。
それらに加えて、ライトユーザーのお客様につながって欲しい機種やタイプも『分けて伝える』ことになります。
分けたものをどう伝えるかのポイントは、お客様が体験する価値提案を加えることになります。
「RUSHに入ったら継続率80%×MAX9000」
デカへそ機種は、「①消化スピードが速い②時間が無い時でもワンチャンス③スタートチャッカ―がデカい!・・・・」など、お客様の体験価値で表現します。
ボーナストリガーの機種も、それぞれ特徴があるのでお客様の体験価値視点での表現を考えて訴求します。
吉野家の「うまい、やすい、はやい」というのもお客様の体験価値視点の表現です。
おわりに
小売業では商品を売る努力は『買いたくなる伝え方の追求と実践+価格』になります。
パチンコ業界においては、機種のファンを増やすのは『打ちたくなる伝え方の追求と実践』です。
≪分けるから解る≫ということをお伝えしましたが、段階的にどこまで分けると『分かりやすくなるか』も同時に考える必要があります。
パチンコ店⇒パチンコ・スロット⇒4P・1P・20S・5S⇒e機・P機・L機・S機⇒ミドル・ライト・甘・AT・Aタイプ・30パイ・・・⇒『ここからが課題』になります。
設置台数が増えてコーナー作りができる場合は、カテゴリーをコーナー別で訴求することになりますが、半列やバラエティ状態であれば、コーナー入口のポスターや台周りのポップなどで訴求する必要があります。
店内ポスターでも、「今!知って欲しいラインナップ!」や「今!話題の○○!」などのポスターを掲示することもできます。
年末年始までの期間に訴求できるネタはあるので、今からコツコツとお客様の認知量を増やしながら、興味レベルも高めて年末年始までの営業施策を組み立てていくことをおすすめします。
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リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介
パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
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