2025-04-23
リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介

繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略「増客チャンスの波が来るか?波に乗れるか?」
業界情報
こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
前回コラムでは、〈市場浸透戦略・市場開拓戦略〉について書きました。
業界全体としても、皆様それぞれの市場においても、継続して【新規顧客開拓とユーザー化促進サポート】の活動を実施し続けることが欠かせません。
欠かせない理由は単純で、どのような商売も「知らない、興味ないから利用しない」という気持ちを解消して、「面白そうだから行ってみたい!」「良さそうだから使ってみたい!」という気持ちを顧客の中に生み出すことで新規顧客を獲得していきます。
このような、商品やサービスの購入促進を継続して続けなければ人口動態による自然減で市場は縮小していきます。
また、3月の転出入は、多かれ少なかれどこの市場でもあるものです。
4月上旬からゴールデンウィークのタイミングで、自店の新規顧客獲得と自店へのリピート促進強化をしなければ、店舗の顧客数は引っ越し離反などで自然と減少していきます。
もうすぐゴールデンウィークに突入しますが、集客とリピート促進の準備次第で市場に流入した新規顧客を自店のファンにできるか?他店に奪われるか?が、先々の稼働に影響していきます。
ぜひ、近隣競合店がどのような営業施策を実施しているのかを念入りに調査し、自店に足りないこと、自店が上回ったことなどを把握し、次のお盆に向けた営業施策に活かすことをお勧めします。
今回は、増客チャンスの可能性やタイミングを逃さない、活かすためのコラムを書こうと思います。
話題性が高まりそうなネタはフル活用していく
前回コラムでイノベーター理論とプロダクトライフサイクルについて触れていますが、新商品が市場に浸透していくときには段階があります。
この段階には、浸透が速いときと遅いときがあり、浸透が速いときの背景は【話題性】が関係しています。
「最近、○○が人気らしい」「何か面白い○○があるらしい」など、私たちの業界以外でも話題性が高いときには市場浸透スピードが速くなります。
浸透スピードが遅いときは話題性に欠けるか弱いときになります。
2月のコラムで『デカへその可能性』について触れましたが、業界人視点での良否判断ではなく、あくまでも顧客視点で今後の話題性のネタになるか?という可能性を考えたとき、「私としては話題性のネタになる」と思っています。
これは機種の良し悪しではなく、集客するための来店動機になるかが重要です。
また、LT3.0が7月から市場導入されますが、これも話題性としてはしっかりと活用できるネタだと思っています。
よって、『デカへそ』も『LT3.0』も、どちらも今回は盛り上げるネタとしてフル活用していく必要があると考えます。
市場浸透スピードが速くなるときの重要な視点
7月以降の機種もいろんなところで機種評価などの議論がされています。
新しいモノが販売されるときは議論が活発になるので、私もいろんなサイトやSNSで参考にさせてもらっています。
ただし、皆様に気をつけて欲しいことが一つあって、「多くの人の意見を選択することの安心感」には注意が必要です。
機種評価や機種選択に関しては、いろんな人の意見を踏まえて判断するのも必要ですが、今回に関しては『話題性の流れに乗った方がいいか?様子見でもいいか?』という視点も必要になります。
話題性の視点が必要な理由は、『話題性のある商品の市場浸透スピードが速いときは、その話題に乗った店舗の集客力が強くなる』からです。
機械予算は無駄なものに使いたくないというか、より良い商品に使いたいというのは当然ですが、話題性という視点も踏まえると機械性能だけの判断は出来なくなります。
これは、スマスロやLT2.0の時も同様の事があり、ヒット機種単体でも同様のことが起こります。
増客チャンスの波が来るか?
話題性による盛り上がりというのは、既存ファンの中でもライトユーザーや、年に数回しか来店しないユーザーの方々にも訴求するチャンスとなります。
逆を言えば、このようなタイミングをフル活用しなければ、通常の話題性レベルではより多くの方々の来店意欲を高めることは難しいものです。
お客様と言っても、初めは未経験者から遊技が始まりビギナーになります。
ビギナーから徐々に楽しさを知り、来店回数が増えていきライトユーザーになります。
ライトユーザーの段階で、ハマれる機種を見つけると知識量も増えていき、パチンコやスロットのファンとして定着してくれます。
これが、話題性が無いというか、面白い機種に乏しいタイミングで遊技を始めたお客様は、残念ながら離反する可能性が高くなります。
ハマれる機種を見つけるまでに至らなければ、「やってみたけどつまらない」ということになり、結果的には離反してしまいます。
逆に、話題性があるタイミングというのは、『魅力的な商品(機種)がある』ときで、「面白かった!」「また打ってみたい!」という気持ちを生み出す可能性も高くなり、結果的に自店のリピート顧客増にもつながります。
『デカへそ』に関しては、2月のコラムでも書きましたが、既に一定の認知と評価を得ているので「話題作りとファン化の可能性」は継続していると思います。
2月のコラムで書いた『デカへその可能性』としてのポイントを再度掲載します。
『デカへそ』に備わる顧客価値として考えられることは、
- ①大当りまでの初期投資が同確率の『非デカへそ機』に比べて軽減される
- ②同確率の機種であれば大当りまでの所要時間が短縮される
- ③「回らない」というストレスの解消
- ④スペックが分からなくても“回る”ことの遊技動機がある
- ⑤『デカへそ』というネーミングと見た目で機種の認知がし易い
既存ユーザーの方々が遊技する機種傾向は、見返りの大きい機種の割合が多いのですが、ビギナーやライトユーザーの方々には、「当たる体験」「当たる体験+景品交換の体験」「当たる体験+勝ち体験」が得やすい確率帯もお店で訴求すると、自店へのリピート促進の可能性が高まります。
ただ、機械予算の問題や、このようなターゲット層は高稼働になりにくいので、顧客開拓という目的での営業施策にする必要があります。
『LT3.0』については、新しいモノの話題性と性能アップの話題性の両輪で訴求できます。
何度も書きますが、機種の良し悪しだけでなく、話題性による集客力の視点も踏まえることが大切です。
増客チャンスの波に乗れるか?
「よし!話題性に乗ってみよう!」という選択をした場合、その話題性をどのように活用するかが次の課題になります。
個人的には無理して多台数導入する必要は無いと思います。
あくまでも自店の稼働状況や、それぞれの話題性によって自店に集まるお客様の絶対数を踏まえて検討するのは皆様の方がプロだと思いますので。
ここでいう『増客のチャンス』は、話題性のネタとなる機種だけでなく、あくまでも「自店の何かしらの機種とつながってリピートしてもらう」ということが目的です。
例えば、半列で8台のコーナーを作ったとき、それ以上のお客様が来店したら、「満席で打てない」という状況になります。
話題性を使って集客できたお客様が、目的の機種を遊技出来なかったとき、お店の中で次に遊技して欲しい機種やコーナーに誘導できるかが鍵になります。
現在は、設置中の機種でも「面白かった!」となる機種はパチンコにもスロットにも沢山あります。
ただし、お客様の好みによって機種を選べるようなプロモーションにしておかないと、適切ではない機種を遊技して「つまらなかった」という結果を生み出す可能性もあります。
【増客チャンスの波に乗れるか?】は、来店してくれたお客様が≪目的の機種だけでなく、他の機種もレパートリーにする≫ことも目指して実現した結果です。
話題性の活用は自店プロモーションの強化が重要
プロモーションは販売促進なので、競合他店も話題性のネタを活用するときにはプロモーションを強化します。
せっかく話題性のネタとなる機種を導入するのに、導入されることを知らないお客様は、導入されることを知ったお店に行ってしまいます。
重要なことは、自店にも導入されることを知っているお客様の絶対数を増やすプロモーションです。
自店における新台の初動を決めるのは全国平均の人気度ではありません。
あくまでも、自店に導入された機種を打ちたいと思うお客様の絶対数です。
自店の市場にいるお客様に、導入されるまでに「どれだけ伝えられて、どれだけ遊技したいと思ってもらえるか」を目的にしてプロモーションを、ツールと範囲、更には告知するタイミングも考えることが大切です。
これは、通常の新台入替やリニューアルなどでも支援先様には繰り返しお伝えしているものです。
単純な話で、「知らなければ来ない」「面白そうだと思わなければ来ない」ので、しっかりと話題性の理由を価値提案するプロモーションで、より多くの人が知るための期間を設けて実施することをおすすめします。
(メーカーさんも全国的にプロモーションを掛けていくことを期待しています)
おわりに
基本的な営業は、暦によるお客様の生活行動を踏まえて、年3回の大型連休を活用することが土台になりますが、【話題性を利用できるタイミング】では、増客のチャンスになるのでフル活用するチャレンジが必要になります。
以前のコラムで、『80%継続×2400個』の話題性作りについても書いていますが、機種評価は正直言って関係ないというタイミングもあります。
もちろん、高いお金を支払って購入する機械なので、導入したら稼働して欲しいのは当然ですが、「自店の集客ネタとして、話題を作れるか?」という側面も暦の流れの中で活用できないかを常に考えています。
店舗型ビジネスは、全国的に盛り上がらなくても自店のお客様の中で盛り上がるということも、大多数ではありませんが可能です。
「何かあるみたいだから仕事帰りに寄ってみよう」という気持ちを喚起すると、しばらく来店しなかったお客様の来店意欲が小さくても来店の可能性を高めます。
今回の話題性は、乗らないと競合店に奪われる可能性もあるので、少台数導入であったとしてもしっかりと「うちのお店にも導入されますよー!」というメッセージまで練って営業施策に落とし込むことが大切です。
(導入した機種も顧客評価が高くなると最高ですが)
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リスペクトマインド株式会社 代表取締役 武内 臣介
パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。
2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。
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