CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-02-26
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介
繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略「『デカヘそ』の可能性を探る!」



こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
前回コラムでは、≪ランチェスター戦略、弱者の5大戦法で営業戦略を考える≫という内容を書きました。
前々回は、年末年始の営業実績から自店のボトルネックを探して、4月に市場へ転入する方々やゴールデンウィークでの集客を目指した取組みとして改善するという内容でした。

さてさて、最近は各方面で『デカへそ』に関して盛り上がってきたので、武内の視点としても『デカへそ』の可能性を探ってみようと思います。
今回はパチンコに関するコラムとなります。

業界全体のボトルネックを解消する一手になるか?


正直に申し上げますと、『デカへそ』に関しては少し懐疑的でした。
そもそも論ですが、わざわざ【デカへそ】にしなくても回せる機械は作れるという単純な理由です。
しかし、貞子やガンダムユニコーンが『デカへそ』で顧客支持を得ているという結果と、今後は各メーカーからのラインナップも増えるので、【『デカへそ』の可能性】を追求するタイミングだと考えます。
(何も考えていなかった自分に反省していますが、現在はいろんなメリットと可能性を感じています)

そこで、私が考える業界全体の数あるボトルネックの中で、一番重要で解消しなければならないものが『参加率を高められていない』という点です。
参加率といっても、18歳~24歳までの参加率を増やすことが重要で、この年齢での参加率が基本となってその後は参加率が低下していきます。

そして、今回の『デカへそ』に関しては、上記のボトルネックを解消する一手になる可能性を感じています。

『デカへそ』の可能性は?


『デカへそ』に備わる顧客価値として考えられることは、

① 大当りまでの初期投資が同確率の『非デカへそ機』に比べて軽減される
  • ⇒ 機種の分岐にもよりますが、1000円スタート15回の通常機種と同確率で1000円スタート30回のデカへそ機種であれば、賞球などを考えずに単純計算すると投資金額は半減される。

② 大当りまでの所要時間が短縮される
  • ⇒ 同確率の通常機種と比べて回るので時間効率のメリットを感じる。

③「回らない」というストレスの解消
  • ⇒ 画面が停止する状態や、スランプによって500円でも2個や3個しかスタートに入らないことが軽減される。
  • ⇒回らないストレスが、回る安心感に変わる。

④ スペックが分からなくても“回る”ことの遊技動機がある
  • ⇒ どんな機種か分からなくても「回るからとりあえず打ってみよう」という気持ちになる。

⑤『デカへそ』というネーミングと見た目で機種の認知がし易い
  • ⇒ スペックとして回せる機種は見た目で分からなくても『デカへそ』というプロモーションや見た目で認知できる。

ポイントとなる顧客価値は他にもありそうですが、大きな点としては上記があげられます。
もちろん、スペックや仕様によって上記に該当しない機種も今後は出てくるかもしれませんので、そこは各メーカーさんに確認するとして。

18歳~24歳の新規ユーザー獲得の一手や一助になるか?


未経験者の方が来店し、そこから『新規ユーザー』としてリピートするという流れを強化するには解消するべきボトルネックがいくつかあります。
参加率を上げるには、例えば≪100人来店して10人がリピートし90人が完全離反する≫という状況だった場合、≪100人来店して20人がリピートし80人が完全離反する≫というように、初来店からのリピート確率を高めることが目標になります。(実際の数字は分かりませんので例えとしてのイメージです)
初来店からリピートする確率が高くなる状況を作ることが、参加率が上がらないというボトルネックを解消するポイントになります。

未経験で初来店の方に関する最大のボトルネックは、「楽しかった」のレベルにあります。
単純な話、楽しければリピートにつながりますが、「楽しかった」のレベルが低ければリピート確率は下がります。
最悪なのは「つまらなかった」という状況で、その気持ちを回避することは必須です。

(ボトルネックの解消可能性は?)


①意味が分からないから打っていても楽しくないの回避
  • ⇒ 回っているので意味が分からなくても打ち続けられ、遊技しているうちに少しずつ理解が進む可能性は?
  • ⇒回るから打ってみようという『回ることによる遊技継続動機』の可能性は?

②「初めて打ったけど当たらないからつまらない」の回避
  • ⇒ まずは「当たった!」という体験価値の可能性は高められるか?

③「初めてで少しだけど勝った!」という状況になる確率
  • ⇒ 勝ち負けは運になりますが、「勝った!」という体験価値の可能性を高められるか?

④「楽しかった!」という気持ちを生み出す確率
  • ⇒ 当り体験と勝ち体験の割合を高められないか?


「負けたけど当たったので楽しかった」
「少しだけど勝ったので楽しかった」
「初めてだけど沢山勝った」

などなど、リピート動機としてのレベルはありますが、「当たらないし、意味が分からないし、ただ負けただけ」という状態を回避することがボトルネックの解消につながる可能性があります。

未経験者の新規来店からリピート確率を高める可能性が高められれば、業界としてのボトルネックだけでなく、自店の新規ユーザーファン化も強化していけます。
もちろん、離反した休眠ユーザーの方々が「久しぶりに遊んだけど楽しかった」という気持ちになれば、再度リピートしてくださる可能性も高まります。

新規ユーザーファン化を狙うとしたら


デカへその話題が盛り上がってきましたが、確率帯で軽めの≪P攻殻機動隊1/189≫と≪Pファンキードクター1/79.8≫の2機種がタイミング的に面白そうだと思っています。
確率が軽めの『デカへそ機種』は、“当たりやすさ”から新規ユーザーファン化の確率が高められる可能性が高いのですが、既存機種の貞子やガンダムユニコーン(デカへそ)など、新規ユーザーが徐々にいろんな機種を知るためのステップとしては必須の確率帯です。
また、既存ユーザーの中でも回らないストレスを感じていた方々のリピート強化施策にもなります。

5月リリース予定の≪P攻殻機動隊1/189≫≪Pファンキードクター1/79.8≫ですが、ゴールデンウィークを告知する期間として、次の大型連休になる8月お盆の仕掛けとなる【デカへそコーナー】を作るという流れも考えられます。
7月7日には別の話題でも盛り上がると思いますが、カテゴリー分けによるコーナー作りはお店の武器になるので、これまでのデカへそ機種も含めてコーナー作りに取り組むチャンスです。
『デカへそ』というネーミングは顧客への価値訴求としてもプロモーションしやすいものです。
もちろん、店内でしっかりとコーナー誘導する流れを作らないとお客様には気付いてもらえないので、誘導するプロモーションを強化することも必須です。

一騎打ち戦と陽動戦が使える!





前回のコラムで書いた5大戦法の中では、デカへそ市場が形成されていない段階は、強者も弱者の戦略をとることになります。
市場形成されていない場合は、強者が有利になる物量戦になっていないので、弱者にとっての集客チャンスです。
このようなときは、一騎打ち戦や敵に意図を悟られない陽動戦の効果を高められます。
陽動戦は、集客した内容とは別に、自店の別コーナーでも自店ファン化を促進する方法です。
よって、前回と前々回コラムで書いた内容が効果を発揮していきます。

おわりに


年度変わりの前半は、新社会人や新大学生など新規ユーザー獲得のチャンスでもあります。
思い起こせば、私も若い頃は休みの日は当然ですが、仕事帰りにも疲れ知らず状態で遊んでいました。
活動的にいろんな社会経験をしてみたいという欲求が強いのが若い頃なので、「パチンコやスロットもやってみたい!」という人が来店したときに、リピート率が高まる機種を遊技してくれるか、既存ユーザーの友達が「あの機種で遊ぶといいよ」と紹介してくれるお店になっているかが問われます。
基本は『詳しくない方々が分かる店舗づくり』を目指すことですが、そうなるためのプロモーション不足のお店も散見されます。
どの機種が良いのか、何を導入するのかという機種戦略だけでなく、お客様は「知らない」「分からない」をサポートすることが『顧客創造』という新しい価値の商品に対して顧客を増やすことになるので、プロモーションも含めて今後も重要なポイントになります。

『デカへそ』は今回のケースですが、話題性は小さくても大きくても丁寧に活用することが大切です。


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このコラムを書いたのは
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介

パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。

2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。

近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。