CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-02-19
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人
パチンコ【LT3.0プラス】への、期待と準備について



先日「2025年1月28日」、業界13団体共催による【パチンコ・パチスロ産業賀詞交歓会】が開催され、その席上にて「全日遊連の阿部恭久理事長の冒頭挨拶に引き続き、「日工組・蘆昇副理事長」「日電協・小林友也理事長」も登壇されました。
その登壇の際、「日工組・蘆昇副理事長」からは【LT3.0プラス】について、「日電協・小林友也理事長」からは【BT(ボーナストリガー)機】について、それぞれの現状とその先の展開が語られました。

今回のコラムは、その中から【LT3.0プラス】について、ホール側の立場として『どう理解して、どんな心構えをしておきのか?』を考察してみたいと思います。

そもそも論として、再確認・・・「ラッキートリガー」とは?


日工組の内規緩和として2024年3月からリリースされた、いわゆる「総量規制の緩和に伴う出玉性能」の事。
※「総量規制」とは・・・初当り及びCタイム等の大当りを除く「高継続状態(RUSH)突入時の平均出玉」
従来の「6,400個」から「9,600個」へと緩和された出玉性能の事を指す。

次に、現状の【LT】と【LT2.0】、及び【LT3.0プラス】の違いについて、把握してみる。


現状でのLT仕様搭載において、基本的に「TY規制」と言うモノがあり、その上限値が「3,200個」と決まっている。
このT規制により、初当り確率が「概ね1/200前後」となります。
当初、【LT=大当り確率がライトドル帯】の様な表現や情報がありましたが、それは本来は間違っており、このTY規制から逆算すると、標準的なセブン機においては『結果的に、大当り確率が1/200前後にならざるを得ない』訳で、LT仕様においては確率の規制(制限)はありませんので、誤解(勘違い)無き様に願います。

さて、以下に【LT】と【LT2.0】、及び【LT3.0プラス】の【TY規制との相関】の表を掲載しておきますので、ご覧ください。



※前述に「標準的なセブン機」と言う表現がありますが、要は「有効S=5.7回」程度を確保するセブン機の事を指し、この数値を確保する為には、「TY=3,000個」前後の出玉性能になっています。

【LT2.0】から【LT3.0】時代へ


【LT3.0】の特徴としては、「LT2.0」同様に、変わらないポイントは「2つ」あります。

先ずは・・・『スマパチ限定』となります。
そして・・・『LT突入時の出玉性能は変わらない』と言う事になります。(ココ重要です!)


対して「変わるポイント」としても、「2つ」あります。
それが・・・<TYの出玉上限>と、<LTの出現比率の上限>になります。

ココで重要な事があります。
それが、【TYの上限】と【LT出玉の上限】が混同され論議される事であり、この点をちゃんと理解しておかないと、『出玉性能が高くなった』=『射幸性が高くなった』とも捉えられがちと言う、イメージだけが先行することになり兼ねません。
それらを含め、以下の表を確認しつつ再確認してみましょう。



<TYの上限>が「3,200個」から「6,400個」になるんだけど・・・。


現在の「LT2.0」のTY値は、「2,900~3,000個」程度で設計されていますが、この先「LT3.0」になった際は、それが「6,000~6,200個」になると予想されます。
しかし上表をご覧頂くと、『TY値は倍増したけれど、RUSH時に獲得できるモードTY(実出玉)は変化していない』事が分かると思います。
つまり、LTの出玉性能は変わらずに、「初当り出玉」や「RUSH突入率」が高くなったり、「LT比率」が上がったりすることで、平均TYが増える事になります。

これは、従来の様に『LTに入らなきゃショボ出玉(チャージ当り含む)で終わる』と言う体験が軽減し、「大当り=常に出玉有り」と言う体験が多くなると言う事になり、「大当りのヒキ」×「連チャンのヒキ」と言う現在の勝ち負けバランスの大小差が小さくなる可能性すらあります。

極論として・・・

【LT2.0】では、「図柄当り=1/400」&「チャージ当り=1/400」⇒「合算=1/200」
【LT3.0】では、「図柄当り=1/400」&「チャージ当り=なし」⇒「合算=1/400」


と、こんな感じになるとしたら、これが『射幸心が高くなった』と言えるのでしょうか?

「7月7日(月)」からリリースに対して、ホール側の心構え


現在におけるメーカー側の2月の販売営業活動は、主に「4月&5月」のリリース機の営業になっています。
ホール側としては、『GWを挟んでの営業方針の決定』に対しての新台導入の是否が問われており、最終的には、「4月~5月」にリリースされる予定の『新機種導入にどう対応するのか?』と言う事になりますね(汗)。

なんとなく『LT3.0は良い事あるよ』みたいな雰囲気でコメントした後ですが、その上でこの先【ホールさんが思考するポイント】は・・・

(1)4月・5月のパチンコ新機種の導入に対して、『どう運用するのか?』


「4月・5月」のパチンコ新機種においては、もう既にご契約の段階に進んでいると思われます。
それらの事情も踏まえた上で考察するならば、先ずは【稼働貢献を15週以上】に伸ばす事を目標としたいところ。
つまり、「GW前後の導入からお盆営業まで」の稼働維持を目標として運用する事で、その後の【LT3.0機種への対応・対策】も検討できる事になるでしょう。

ココで言う【LT3.0機種への対応・対策】とは?


最も重要な事が、「スマートユニットの増加・スマパチ機の増床」の検討になる訳で、過去「スマスロ導入」で体験した様に、『使える!』と判断したならば設備投資を後手に回す事はコスパが悪く投資効率が良くない事になる。
その判断を迅速に進める為にも、4月・5月導入機種運用で来店客数(=稼働安定)の安定化を図り、2025年年末商戦への基礎稼働と考えて見てはいかがでしょうか?

(2)6月・7月のパチンコ新機種の購入を、『どう判断するのか?』


メーカー営業自体は、GWを挟んでの営業タイミングと予想されますが、現状ではまだ、『どんなスペックの、どんなコンテンツの新機種が登場するのか?』『どのメーカーから、全部で何機種が登場するのか?』等々、全く不透明な状況ですので何とも言えませんが・・・【7月・LT3.0登場!】となると、それ以外の機種に対して、ホールの買い控え傾向は発生するモノと思われます。
また、併せて【パチスロ・BT機】の登場も被る可能性もありそうですから、予算的な問題を考慮するならば、全体的に「6月の買い控え」傾向は否めないかと思われます。
逆にこの時期は、【LT3.0】の登場にも影響しない客層へのアプローチを重視した機種選択に目を向けてみたらいかがでしょうか?

まとめ


いずれにせよ、『LT3.0が射幸性が高くなる』と言い切れる訳でも無く、『大当り出玉を体感しやすい』と言う規制緩和の可能性も高い事は知っておきたいところ。とは言え当然ながら、いわゆる「良い機械」もあれば「イマイチな機械」もあるでしょう。
ただ、悪いイメージ先行のバイアスが掛かった目線では無く、フラットな思考でスペックの理解をして、「機種選択=設備投資」の側面も含めた【年末までを見据えた営業戦略】を模索して頂けたら幸いです。

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このコラムを書いたのは
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人

1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。

有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。

現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗