CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2024-12-04
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信
2024年の振り返りと2025年起こること



いつも船井総研 渡邊コラムを御愛読頂きありがとうございます。コートが無いと寒い季節になってきました。体調管理には十分お気をつけください。

年末の仕掛けもやはりP減S増もしくはS増床の流れが来ていますね。あわせて店内のLEDや大掛かりな装飾変更が増えてきています。あれは意味あるのか?と質問を受けることがありますが、私は意味があると思っています。ユーザーがお金を使うにあたって「非日常感の演出」「店舗のやる気をみせる」「高揚感を高める」これらの演出として必要でしょうね。
業界のLED金額は通常相場の1.3倍くらいになっていますので、業界ルートから仕掛けをするのは悪手と言えます。実施される際には相場に注意しましょう。

多くのパチンコホールがスロットの増台を進めている流れ


2024年11月売上は
先月対比で

4円100%
1円108%
20円100%
全体103%

でした。

また去年対比では

4円89%
1円109%
20円102%
全体101%

でした。
11月はスロットが好調と言えるほどではありませんでしたが、それでも悪くはない状況です。1円Pが連続で好調です。直近で思うことは、「給料日、年金支給日」に関わらず、手放しで営業をしてても良くなることは無いなと実感しております。

スロット市場はスマスロの登場を機に好調である一方、パチンコ市場は相変わらずの低迷が続いています。全国のパチンコ設置台数は前年比で12万台以上減少したのに対し、スロット設置台数の減少は1万台程度に留まっています。この結果、多くのパチンコホールがスロットの増台を進めている流れとなっています。
4円パチンコは過去から見てもアウトはほぼ半減している一方で、粗利は1.5倍弱の増加を見せています。

実際粗利額ベースではカバーしきれておらず顧客獲得のための抜本的な対策が必要であり、難易度が高いです。ラッキートリガー機の登場により、パチンコ全体の粗利率は上昇していますが、他のパチンコ機からのユーザー移動が起きているだけで、パチンコ全体の稼働状況は改善していません。スマパチラッキートリガーの普及もまだまだなので、新台の台数を買えばよいという問題でもありません。

スロットは設定があるため、稼働を維持する戦術が出来る状況です。4円パチンコと比較しても稼働は堅調に推移しています。もちろんスマスロの登場もありますが、設定運用による集客力のアップ、そこからの再来店誘導による全体的な売上、粗利アップがうまくいっています。もちろん特定日強化にもやり方がありますので、変な集客強化は逆効果になりますが。

増台の背景は店舗運営の効率化もあります。スマート遊技機は、従来機に比べて遊技機の機能が向上しているだけでなく、従業員の業務負担を軽減することができます。メダル補充やエラー対応などの作業が自動化されることで、従業員は接客や清掃などの業務に集中することができます。そのため、スマパチかスマスロかと問われた場合はスマスロになるという状況もありますが、PS併用島のため、いつでもパチンコでも攻められる状況です。来年はパチンコも回復することを祈りたいですね。

2024年の全体感


2024年の全体感をまとめると、

  • パチンコ店は減少傾向で、特に大都市圏で多くの店舗が閉店
  • パチンコ台の設置台数は大幅に減少していますが、パチスロ台は微減で済んでおり底打ち感が見られる
  • パチスロ台数の増加は、スマスロの好調さから、いち早くパチスロ増台のリニューアルを仕掛けたエリアと増客傾向が一致している
  • 47都道府県すべてで店舗数は減少していますが、1店舗あたりの平均設置台数は増加しており、店舗の大型化トレンドはまだ継続
  • 閉店した店舗の大半が小型店であり、小型店の淘汰、大型店や専門店の構図がより浮き彫り
  • 特定日や週末、有名人招致、新台導入など、様々な集客策を講じることが重要


2025年にやるべきこと


この流れは2025年も続くと思います。
そのため、今後やるべきことは

1. スロット特化戦略の深化


  • 市場トレンドへの対応すること
  • スロット専門店化: 既存店でもスロット比率を高める、あるいはM&Aなどを活用してスロット専門店へ業態転換を検討
  • スマート遊技機の設置比率をあげる
  • 顧客体験の差別化: 単にスロット台数を増やすだけでなく、顧客満足度を高める集客試作

2. パチンコ部門の活性化


  • 出玉スピードを重視した夜集客を目指す
  • 甘デジ部門の再強化

3. 情報収集と分析に基づいた戦略策定


  • 業界動向の把握: 業界は常に変化しています。 最新の業界情報や市場トレンドを的確に把握し、適切な戦略を立てる
  • 顧客ニーズの分析: 顧客ニーズを的確に把握するために、顧客属性や遊技傾向などを分析。全国動向も大事だが、自店舗ではどうか。
  • 競合店調査: 競合店や新店の動向を目で見て自店の強みと弱みを分析し再構築
  • 情報リテラシーの向上: 情報の真偽を見極める能力を高める

まずは、2024年に行動してなかったことをいち早く追いつきましょう。そこから、自社の取り組むべきこと、強みをより一層強くしていきましょう。
今まで自分たちがやってきたことは間違っていません。だからといって続けることが正しいことかもわかりません。過去を踏まえて次の1歩が少しでも良くなる1歩であることを祈ります。2024年もありがとうございました。
このコラムを書いたのは
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信

国立大学 理学部数学科卒業。国立大学大学院 応用数学科卒業。アミューズメント支援部新卒入社史上最年少でチームリーダーに着任から、最年少でグループマネージャーに着任。400台以上の大型スロット専門店立ち上げ実績は10件以上携わっており、スロット増台成功実績は40件以上、多数の20円スロット業績アップ実績をもっている。直近2年間の高射幸機に頼らない増収増益方法を指導しており、20円スロットの業績アップの実績は、元スロプロで培った超ユーザー目線と、大学での数学の知識を駆使した数理マーケティングで「 高精度な 」時流予測とスロット機種分析によって実現している。
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