2025-06-18
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長 髙橋 正人

【ゼウスの神言】~「アウト=2倍」へのチャレンジ~【3つの掛け算】思考
業界情報
昨今の、ホール団体による「若年層ユーザーの取り込み」やら、「広告宣伝煽り」問題やら、何かと【集客一辺倒】の思考方向になっている様な気がするパチンコ業界ですが、既に【参加人口=750万人】と言われている昨今において、未来指向含めて『客数を増やす』と言う意向は、決して間違ってはいない。
だがしかし、さて『その思考だけでホール稼働は上がるのか?』と言う疑問に対して、明確な答えはあるのだろうか?
この先2~3年で、「現状の取組み」や「ホールの我慢」で、ホール業界全体的な業績上昇は見込めるのだろうか?
本コラムは、その辺りの思考を一旦整理すると共に、現在のホールの【稼働アップ】と言う一点に注目し、稼働アップの為の本来【ホールが持つべき思考】=【3つの掛け算】のの話を記しておきたいと思います。
【稼働アップ】とは、「ホールCP上でのアウト(IN枚数)の数字のアップ」の事。
先ずは、この定義にて統一しておきたい。
時折、「稼働アップ=集客イベント」の話だったり、「新台の機種評価」だったり、「大型導入の予算編成問題」だったりと、具体的な【特効薬探し】が言われたりしますが、それは「施策の1つの話」であって、そもそもの「稼働アップの為の考え方」を放棄してしまう事がありますので、ご注意頂きたく思います。
つまりこのコラムでは、「ホールPC上のアウト値を上げる為の基本的な考え方」を記しますので、その思考から導き出す施策は、その先の話としてお読みください。
アウト値アップの為の【3つの要素】を再確認する。
【3つの要素】とは、以下になります。
- (1)【顧客の絶対数】(※例えば「会員数」の様な、絶対客数とも言う)
- (2)【1人の顧客の来店回数】(※指数としては、基本的に「月間の来店回数」が分かりやすい)
- (3)【1人当りの稼働時間】(※現在の会員情報から、ホール毎の概算値の把握が必要)
一例として、「1日単位」観測した場合、見た目上のいわゆる『混んでいる』・『空いている』とかの状況は、その日の来店客数が増えただけの話では無く、プレイヤーの稼働時間の長短も関わってくる事は、お分かり頂けると思います。
しかし最近は、「客数に拘る」傾向が見受けられ、その為の施策として「新台入替」や「集客イベント」の是否を考えたりする事も見受けられ、その『施策の成功・良し悪しが目的になっている』事もある様に感じます。
施策の良し悪し(効果測定)は重要ではありますが、本来の目的は『そこでは無い!』と踏まえておく事もまた大事です。
そこで、「稼働アップ=2倍への道」を、【3つの要素】から考えてみる。
そこで、未来の『アウト値を2倍にする為の思考』と言う、ある意味雲を掴むような話になりますが、以下「一つの思考例」として参考にして頂きたいと思います。
アウトの構築は【掛け算】で成り立っている・・・と言う事。
先ずは「1.25×1.25×1.25=1.95」と言う計算を覚えていておいて下さい。全てはココから始まります。
つまり、「(1)絶対客数」×「(2)来店回数」×「(3)稼働時間」を、それぞれ「25%づつアップ」すれば、「アウト値は現在から概ね2倍になる」と言う事です。
計算式では、「1.0×1.3×1.5」(順不同)でも「=1.95」になりますし、極論「1.0×1.0×2.0=2.0」と言う計算でも成り立ちます。
さた、こんな計算式を見て、どうでしょう?
『アウトを2倍にするなんて、まるで夢の話で不可能な妄想』・・・だと思いますか?
ホール営業における全ての施策は、この【3つの要素】の『どれかに当てはまる』と言う事実。
さて、現在も日々のホール営業の中で、様々な施策が行われています。
- 例えば、『トイレをきれいにしましょう』とした場合・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『スタッフの笑顔が大事』なのは・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『来月も新台入替をする』のは・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『その選んで導入する新台』は・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『低粗利で運用する』のは・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『演者さんを呼んで集客に期待してみる』のは・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
- 例えば、『毎月毎月、総付景品の配布する』のは・・・それは『何の為?』・『どの要素を満たす為?』
等々、ホールでは日々様々な営業施策を試みていると思いますが、その目的が『みんなやってるから』とか、『やらないと世情に乗り遅れてしまうから』とか、基本的に【3つの要素】の計数に対して「1.0」を維持する為の理由かもしれませんね。でもアウトが減少傾向ならば、『どこかの計数が「0.9」になっている』のかもしれません。
「アウトが下がる理由」、または「上がらない理由」を計算してみる。
アウト値を上げる為には【3つの要素】の計数のいずれか、または全部を少し上げれば良い事は分かったと思いますが、逆の場合も考えておきましょう。(耳が痛い話かもしれませんが)
先ずは単純に・・・「0.9×0.9×0.9」の場合では「=0.73」となります。
仮に、この状態を2年続けると、2年後には「計数結果=0.53」となり、2年後には閉店となる事になるでしょう。(涙)
実際は『現状生き残っているホールは頑張っている』結果ですが、「今でも稼働が下がり気味」、または「昨年対比100%」のホールの場合でも、【3つの要素】 のいずれかの計数が『1.0を下回っている』と思われます。
まとめ
今後のホール運営において最も重要な事は、先ずは『今現在のアウト値を下げない事』が求められます。
そしてその次の目標は、<月間毎の昨年対比を100%以上にする事>となります。
その為には様々なチャレンジが必要かもしれませんが、その一つ一つの施策に対して、『【3つの要素】のどれをアップさせる為の施策なのか?』を明確にする事が、最も重要で稼働アップの近道だと考えられます。
『客数を増やす』とは、あくまでも「見た目上混んでいる」と捉えがちですが、コストを掛けて絶対客数が2倍になったとしても、来店回数が1/2になっては、アウト値は変わらずコスト負担だけが残る事になります。
逆に客数は今のままでも、プレイヤーが「1機種の稼働時間が2倍」、もしくは同条件で「2機種目も打ってもらう」事で、アウトは2倍になる可能性もある訳です。
【集客】には、必ずコスト掛かりますが、その【集客】と言うキーワードだけで今の、今後のホール運営を考えていると、確実に稼働アップ(アウト値の上昇には至らない事でしょう。
ぜひ、【絶対顧客数】×【期間(月間)来店回数】×【(合計)稼働時間】の3つの要素を再度意識し、稼働アップを達成する事を、なんなら『来年の同月は、アウトが2倍になっている』可能性に期待しております。
※このコラムは、無料コンテンツに該当しております。情報共有可としますが、転載・改ざん等はお控えください。また、文章・資料等の所有権は、「有限会社トータル・ノウ・コネクションズ」に帰属いたします。
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有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長 髙橋 正人
1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。
有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。
現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗
有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
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