CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2022-08-10
SDGs&Career代表株式会社 ジャパンニューアルファ 総務部長   赤羽 良太
業界再興戦略としてのSDGs
「業界再興戦略としてのSDGs」

この度、執筆させていただくこととなりました赤羽と申します。

はじめに、私はパチンコ業界で17年働く中、たくさんのやりがいや生き甲斐を感じ人生を送ることができてきました。

大好きなパチンコ業界の働きがいや遊技の楽しさを、より良い形で次世代に繋いでいきたいと思っています。

アルバイトとして足を踏み入れ、お客様から名前で呼んでもらえるようになった時の自己肯定感、大当たりした際に共に喜べる瞬間、自身の企画で来店が増えた時の感動、そして失敗した時の悔しさ。

お客様の感情を察知し、適切な応対を選択しなければならない接客の難しさや楽しさ。
二度と来るか!と言って帰られたお客様が、翌日に笑顔で来店される独特な景色。

そのどれもがパチンコ業界ならではの刺激的で充実した経験だと感じています。

私はこれからの時代も社会に選ばれ続ける業界になるための取り組みとしてSDGsに着目し、パチンコ業界各社へ想いと取り組みを広げる活動をしていますが、少し誤った認識が広がっているようです。

単なるボランティアや社会貢献、CSRの延長線、コストが掛かる、大企業がやることで他人事、このような意見を聞く機会が多いですが、実はそのどれもが不正解です。

このコラムが少しでもみなさまのSDGsに対しての正しい理解に繋がり、パチンコ業界の明るい未来を創るために必要な選択であるという価値を感じていただけたら幸いです。

私は遊技機の魅力だけでは、業界の再興は難しいと考えています。

なぜなら社会から愛される業界でなければ、どんなに遊技機の魅力があったとしても不買運動等の対象になり兼ねないリスクを常に抱えることになるからです。

先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代において、価値観や在り方、働き方が変容している今、SDGsに取り組むことは社会から選ばれ続けるための有効な選択です。

この世界を変える17個の目標は、
業界の未来を変えるための目標でもあると信じています。

もっと働きやすく、もっと選ばれる業界・企業になるためのSDGs。
2030年、SDGsで繋がるパチンコ業界の明るい未来を創りたいと思っています。

1社の100歩より100社の1歩。

計4回のコラムでは、SDGsの現状や取り組むメリット、取り組み方や気を付けなければならないことなどをお伝えしていきますのでよろしくお願いいたします。

ここではSDGsについての説明は多くのメディアで紹介されているので控えさせていただきます。

何もしないことで取り残される未来

SDGsが採択されて6年、2022年3月中小機構の発表では中小企業の11.6%がSDGsへの取り組みを始め、これから予定している企業と合算すると3割を超える状況となってきました。

実はSDGsに積極的に取り組む企業には、このようなメリットが生まれています。

  1. 1.直接・間接的な受注が増加
  2. 2.消費者に選ばれる
  3. 3.価格競争に巻き込まれない
  4. 4.若手の有望な人材を採用できる
  5. 5.経営者も従業員も幸せに働くことができ、生産効率が向上する

私は取り組むメリットよりも、何もしないことで業界が社会に取り残され、さまざまなビジネスチャンスが失われるリスクを危惧しています。

パチンコ業界だからできる地域共生

日本の人口減少は歯止めが効きません。社人研によると1億2,500万人の人口は2030年に約900万人減少し、2050年には1億人を下回り9,700万人となる予測が出ています。
高齢化も進み、2025年以降は3人に1人が高齢者の社会です。

この人口動向は地域にさまざまな課題をもたらすと言われています。
例えば高齢者の孤立化、自治体の消滅危機、地域のつながりの希薄化など、これからの時代はさらに地域コミュニティの場が重宝されるのではないかと考えています。

パチンコ業界にはこれらの課題を地域とともに解決していけるポテンシャルが大きいと考えています。18歳以上であれば気軽に立ち寄ることができ、営業時間も長く、全国7500店舗のスケールや地域に根付いたパチンコ業界ならではの強みがあります。

SDGsを共通言語に社会と対話し、地域が本当に困っている課題を共に解決する関係性を構築することで、地域から愛され続け、選ばれる要素になるものと考えています。

小学生も知っているSDGs

業界はこれまでも多くの労力やコストを掛けてCSRに力を入れてきました。
それは社会的責任の他、イメージを高める目的があったものと考えます。
しかし、これだけの活動をしてきていながらも東日本大震災やコロナ禍などの社会課題が生じるたび、パチンコ業界は何かとネガティブな扱いを受けます。

株式会社電通によるSDGsに関する生活者調査では、一般消費者の認知度は8割以上と急速な高まりを見せ、社会的評価も高いことが見受けられます。


SDGsの認知率

SDGsに取り組む企業のイメージ

※株式会社電通による『SDGsに関する生活者調査( https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0427-010518.html )』より引用。


2020年から文部科学省では持続可能な社会の創り手を育成するため、学生指導要綱にSDGsを盛り込むこととされ、小学生から学びを始めている状況があります。

「こどもからSDGsの話をされて、内容分からなくて困っちゃったよ」
なんて場面も増えてきたのではないでしょうか。

今、時代はCSRよりもSDGsにシフトしています。

1990年~2010年代に生まれたZ世代、そしてα世代といった、いわばSDGsネイティブ世代が中心となり経済を支える未来はそう遠くありません。

活動や広報をCSRに加えSDGsを意識することで、社会的評価を得られる可能性は高まるものと考えています。

SDGsはビジネスの新常識

例えば2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博ではSDGsが指針として掲げられています。

具体的には調達におけるサプライチェーンに「持続可能性に配慮した調達コード」が設置され、準拠していないことでビジネスチャンスを失うことに繋がっています。


持続可能性に配慮した調達コード(第3版)東京2020持続可能性に配慮した調達コード大阪2025

※東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会による『持続可能性に配慮した調達コード(第3版)( https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/special/docs/調達コード解説.pdf)』より引用。

※大阪・関西万博による『持続可能性に配慮した調達コード( https://www.expo2025.or.jp/wp-content/uploads/220418_tyoutatukodoan.pdf)』より引用。

そして、SDGsを積極的に推進する大企業では、取引先選定の条件となる機会も増えています。決して他人事ではなく、私たちの業界にも影響を及ぼす可能性が高くなる未来が予測されます。

以上のように、これからの社会に選ばれ続けること、社会モテする Social Good な業界になることこそが、業界の再興に繋がるという視点でお話させていただきました。

最後となります。
社会に選ばれることの重要性は分かったけど、結局何をすれば良いの?という点です。

その肝となるのは「六方良しのサスティナブル経営」に他なりません。

それは決して経営者のみで実現できるものではなく、業界に関わる私たち一人ひとりの意識や行動変容が重要になって参ります。

次回は今回の続編やリクルーティングとの関連性、サスティナブル経営についても触れていきます。ぜひご期待ください、ご一読いただきありがとうございました。
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このコラムを書いたのは
SDGs&Career代表株式会社 ジャパンニューアルファ 総務部長   赤羽 良太

拓殖大学政経学部卒業、ジャパンニューアルファ社でアルバイトとして就業を開始し現在に至る。
ホール営業6年、総務部長および採用担当者として11年就業する傍ら、2022年2月からSDGs&Careerとして活動を開始。

SDGsへの取り組みが社会からもっと選ばれるパチンコ業界の未来創りに効果的と捉え、SDGsビジネススクールを卒業しSDGsビジネスマスター、SDGs推進コンサルタントなどの民間認定を取得。国家資格キャリアコンサルトンも所有し、クライアントに寄り添い、SDGsに楽しく取り組めるようになる研修をメインにSDGsの導入支援を行なっている。

大切にしている言葉は「1人の100歩より100人の1歩」

問合せ先
TEL:09071875848
MAIL:sdgs.career@gmail.com