2025-04-14
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長 髙橋 正人

新機種選択に【累計粗利】と【中古機価格】と言う基準はあり!?
業界情報
2025年6月~パチスロ「ボーナストリガー」が、そして2025年7月~パチンコ「LT3.0プラス」として、いよいよ「新内規対応新機種」の登場が始まる事になる。
現在、メーカーサイドとして新機種の展示会・試打会が行われ、それを経てホールサイドとしては順次次機種の購入計画を進めて行く事になります。
そんな中、やはり気になるのは『どの機種を、何台導入するのか?』と言う事になる訳ですが、ここから先の機種選択は「2025年の後半戦」の営業成績に直結するだけに、その機種選択は「希望的観測」での機械投資と言う訳には行かないでしょうし、十分な検討ありきでの投資が望まれます。
その点も踏まえて、今回は【機種選びの指標】として、【累計粗利】と【中古機価格】と言う基準について、考察してみたいと思います。
【累計粗利】は、結果的に「稼働貢献週」が反映される。
※以下は「P=4円」「S=20円」での検証
先日「P北斗の拳暴凶星SFPA(2023年5月8日リリース)」の稼働貢献週が『100週に到達した』と言う話題がありまして、気になって調べてみたところ、【累計粗利】がなんと「300万円」と言う数字になっていました。
ちょいと遡って一世風靡した他機種も調べてみたところ・・・
- P新世紀エヴァンゲリオン15未来への咆哮・・・「稼働貢献=172週(継続中)」「累計粗利=700万円」
- P Re:ゼロから始める異世界生活鬼がかりver.・・・「稼働貢献=161週(終了)」「累計粗利=900万円」
- P大海物語MTE2・・・「稼働貢献=113週(継続中)」「累計粗利=200万円」
- Lパチスロ北斗の拳ADXR・・・「稼働貢献=103週(終了)」「累計粗利=280万円」
- LからくりサーカスG・・・「稼働貢献=92週(継続中)」「累計粗利=370万円」
- Lモンキーターン5CE・・・「稼働貢献=70週(継続中)」「累計粗利=200万円」
当然、結果的には「有名どころ」の機種ではありますが、こんな結果になりました。
当たり前の事ですが、ホール設置期間が長くなれば必然的に【累計粗利額】は増えて行くものではりますが、店舗全体稼働を鑑みた際は、平均稼働を上待っている機種である事が望ましく、その結果として「稼働貢献週」と言う数値も重要なファクトの一つと考えられます。
新機種選択の際に「稼働貢献週」を予想する事は大事な事。
当然ながら、どの機械購入担当者の人であっても『稼働貢献が長い事を望む』とは思います。
しかしそれが「希望的観測」であったり、「単なるイメージ」であったりする場合もあるのでは?と懸念される事でもあります。
では・・・『なぜそうなるのか?』
答えは簡単で、機械購入の際に『宣言(公表)しないから』と言う事になるのでしょう。
そもそも「稼働貢献5週以下」と判断した新機種を多台数導入するなんて、本来は有り得ない話だと思うのですが、導入後に『やっぱりダメだったかぁ』などと嘆いているばかりじゃ、この先も不安だらけの機種選択になると思います。
そして、本来重要なキーワードが【累計粗利】になる。
現在設置中の機種でも良いですし、今後導入する機種でも良いのですが、機種毎の【累計粗利(1台あたり)】を確認して頂きたいと思います。(※『既にやっている』と言うホールさんは、ホント素晴らしいと思います)
そして今後の新機種選びの際は、【稼働貢献期間の累計粗利】も予測してみる事をオススメします。
遊技機購入の際「遊技機代の償却」を意識している人も多いとは思いますが、それもまた重要で本来『償却が終わってからが会社の利益になる』と言う単純な話で、仮に「新機種価格=60万円」の場合、「稼働貢献=10週」であれば「週粗利=6万円(台粗利=8,570円)と言う数字が一つの運用目標になる訳です。
更に、それ以後の台粗利が、その先日々継続の【累計粗利】として、会社の利益を構築する事になります。
この【累計粗利】が多い機種を導入する事で、より強いホール運用(経営)が可能となり、その先の集客戦略の基礎となるでしょう。
新機種購入時に【中古機価格】を予想する!?
ある意味「俗っぽい」考え方かもしれませんが、「5つの機種評価」と言う概念に【資産貢献力】と言うキーファクトがあります。(※他4つは、①「集客貢献力」、②「稼働貢献力」、③「売上貢献力」、④「粗利貢献力」)
この資産貢献力とは、稼働貢献が終了した(自店舗の平均稼働を下回った)時の中古流通価格の高低を評価するもので、俯瞰的には「全国データ」を参照することもあります。
重要なのは・・・『「自店舗での稼働貢献が終わった」と言う時に中古価格がいくらになるか?』と言う話。
本来はこの時点で【累計粗利】が機械代を超えている事がベストであり、その売却益はある意味「累計粗利を増やしている」と言う評価にもなり得ます。
しかし、この売却の時点で「次の新台入替コストも生み出している」と言うフェーズであれば良いのですが、そうで無いケースも多々あるかもしれません。
例えば・・・「新台価格=50万円」の場合
「稼働貢献週=8週終了」で「期間粗利=40万円」、そして「中古売却価格=20万円」だと「累計粗利=10万円」と見る事が出来ますが、「次の新台入替が待っている」事になりますから、次の新台購入で40万円の投資が必要になると言う流れになります。
結果的には、少なくとも「中古売却価格=50万円」、もしくは「1台=100万円」の【累計粗利】があれば問題はクリアされるのですが・・・
または、中古売却する以前に「稼働貢献中なので撤去できない」と言うジレンマが発生したりしますし・・・(悩)
ちなみに現在の中古価格帯の機種数は?
- 中古価格=50万円以上・・・「パチンコ=11機種」・「パチスロ=17機種(ジャグラーシリーズ4機種含む)」
- 中古価格=30万円以上・・・「パチンコ=26機種」・「パチスロ=28機種(ジャグラーシリーズ5機種含む)」
今後新台購入する際、「稼働貢献週の予想」と共に、その時点での「中古価格の予想」も、今後のホール経営の中の思考に取り入れてみる価値はあると思います。
まとめ
新台導入による「集客貢献力」は重要なファクターである事は言うまでもない事です。その上に高い「稼働貢献力」から生まれる【累計粗利額】と、「資産貢献力」から反映される【中古機価格】の考え方は、今後のホール運営、いやホール経営に大きな効力を発揮するものと考えます。
ぜひ、一考されてみてはいかがでしょうか?
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有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長 髙橋 正人
1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。
有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。
現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗
有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。
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