CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-02-04
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信
GWを見据えた2025年の動き方



本コラムをお読みいただきありがとうございます。船井総合研究所シニア経営コンサルタントの渡邊龍信です。

はじめに


今回のコラムでは、パチンコ業界の経営者、幹部の皆様に向けて、2024年の業界動向を振り返り、業績を上げた店舗とそうでない店舗の違いを分析し、現状の課題を整理します。その上で、2025年に向けて取り組むべきことを提言いたします。皆様の一助となれば幸いです。

2025年1月売上は
先月対比で

4円108%
1円107%
20円105%
全体107%

でした。

また去年対比では

4円98%
1円108%
20円105%
全体104%

でした。

昨対比で100%を割っている店舗の多くはスロットは105%伸びているが、4円パチンコが80%という状況の店舗が多いですね。それでも今年は仕方ないかと思います。
パチンコは年末の新台が全て振るわなかった状況でしたが、1月の新台のみで何とか良い数字は叩けておりますが、それでも去年対比では下がっております。
20円は相変わらずの好調数字とはなっておりますが、2桁成長率は難しくなっております。

2025年の業界動向予測


2025年のパチンコ業界は、引き続き変化と競争の激しい一年になると予測されます。
機械代を下げることもなかなか難しく、より売上を上げに行くことに注力していく必要がある1年となります。

スマスロ市場の成熟と競争激化
スマスロは、2024年に市場を牽引しましたが、2025年には市場が成熟し、更に競争が激化すると予想されます。各店舗は、スマスロの機種構成、特に市場価値の高い機種の設置比率を上げ、かつ設定配分において、より戦略的なアプローチが必要になります。
パチンコ市場の底打ち模索
パチンコ市場は依然として厳しい状況が続くものの、中古のコスパは非常に高く、7月の規則改正により底打ちを模索すると考えられます。特に、1円のスマパチ導入、中古遊技機の活用が重要な戦略の一つとなるでしょう。
スマパチの設置比率
スマパチの設置比率は4円の18%となってますが、今後出てくる新台や新規則機は全てスマパチになっていくことから、2025年はさらにスマパチ増台を視野に入れなければなりません。予想では30%まで引き上がることが予想されます。
人財不足の深刻化
パチンコ業界における人材不足は、より深刻化すると見込まれます。従業員の待遇改善や若手人財育成、AI人財育成に力を入れる必要があります。私も支援先にAI導入と活用を実施させておりますが、会議の品質が恐ろしくあがります。ここの活用が出来るかどうかで、今後の結果に対するコミットスピードは飛躍的にあがりますね。
顧客ニーズの多様化
ユーザーは、依然として高射幸性機種を求める一方で、遊技の楽しさやエンターテインメント性も重視する傾向が強まっています。LED導入店舗が比較的好調な理由もそこにあるかと思います。また、スロットユーザーのレベル感が非常に上がっており、設定4でも打たないといった流れが出てきております。そこの打破をするためにもヘビーユーザーとライトユーザーの付き合い方を考える必要がありますね。


ゴールデンウィークのような繁忙期に向けて、パチンコ業界が取り組むべきことは



スマスロ戦略の再構築
スマスロ市場の競争激化を踏まえ、高設定機種の導入だけでなく、設定配分やイベント開催において、より戦略的なアプローチを検討する必要があります 。私は特にストーリー性を重視しており、今回のように機械のない繁忙期には、集客効果の高い集客策や高設定機種の導入を組み合わせることで、顧客の来店動機を高めることを取り組んでおります。
データドリブン経営の推進
POSデータや顧客データを分析し、的確な機種選定や設定投入を行う必要があります。あまりにも機歴が厳しくなっており、正直付き合いきれないのもあります。そのため、中古増台の即判断をしていくことが必要です。最短での増台判断をする上で、取り組みを強化していきましょう。
SNS活用
SNSや動画サイトでの情報発信を強化し、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤリティ向上を目指す必要があります。特に、GWのような期間中は、4月から新生活が始まった新規ユーザーを取り組むチャンスのため、イベント情報や店舗の魅力を発信することで、集客効果を高めることができます。ここで、AIを使うことで、効率よく店舗アピールをすることもできます。


2025年の課題は?


2025年の課題は黒字の計画を作れるかどうかになります。
2024年は新紙幣やユニット導入により大きく予算を使いました。
もちろん今年も多くかかってくるところではありますが、それでもコスパが良いかどうかは微妙なところです。

そのため、今年は黒字計画を作ろうとするのですが、その実の多くは売上をあげにいくことよりも、機械代を下げるという目線に向いてることが多いです。戦略的に下げて、変わりに広告費にあてる、粗利率を下げる等の考えならばわかるのですが、そうではない場合危険な行動となります。

単純に悪いという話ではないのですが、上記でも述べたように最新台を購入しにいく予算を中古にあてて最速増台を狙いにいきます。もちろん、中古価格150万でも買いにいきます。そこの分岐点は自社の分析で完了させておけば、どのランクの機械はこの金額ならば買うという明確な動きが取れるため、リスクを減らすことはできます。この動きも2025年は取りづらくなりそうです。

そのため、2025年は確実に売上を上げにいくことを狙ってください。
特にパチンコは何かしらをコスパ良く動くようにしましょう。

パチンコ業界にとっては今年は大事な1年となります。業界が変わるために、全員が動いてくれたらなと思います。


このコラムを書いたのは
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信

国立大学 理学部数学科卒業。国立大学大学院 応用数学科卒業。アミューズメント支援部新卒入社史上最年少でチームリーダーに着任から、最年少でグループマネージャーに着任。400台以上の大型スロット専門店立ち上げ実績は10件以上携わっており、スロット増台成功実績は40件以上、多数の20円スロット業績アップ実績をもっている。直近2年間の高射幸機に頼らない増収増益方法を指導しており、20円スロットの業績アップの実績は、元スロプロで培った超ユーザー目線と、大学での数学の知識を駆使した数理マーケティングで「 高精度な 」時流予測とスロット機種分析によって実現している。
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