CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2024-12-25
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介
繋がる力 お客様とお店を結ぶランチェスター戦略~2025年のスタートは「ボトルネックの総点検と改善を!」~



こんにちは!リスペクトマインド(株)の武内臣介です。
今年ラストのコラムとなります。
2024年も残りわずかで、お店は年末年始の重要な時期になります。

2024年は、スマート遊技機にかかる費用や新紙幣対応などお金のかかる年でしたが、2025年も引き続きユニット増設に関してはお金がかかる年になります。
そんな中でも、スマスロだけでなくスマパチも徐々に顧客支持が高まっているのはプラス材料になっており、どんなに小さなプラス材料でも『追い風』はフルに活用していくことが大切です。

よって、『追い風』の時には一度立ち止まってしっかりと追い風が活かせる店舗状況になっているかをチェックする必要があります。
年末年始のタイミングなので、普段は来店しないお客様の声や反応もヒヤリングでき、更にはライトユーザーの方がどのような機種を選択するのかもしっかりと観察することができます。
そこから得た情報を基に、【追い風を妨げているボトルネックの総点検】をし、2025年は進化した店舗づくりで業績向上を狙って欲しいと思います。

良い営業施策もボトルネックが効果を低下させている


イスラエルの物理学者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が書いた[ザ・ゴール]で一気に有名になった「ボトルネック(制約条件)」という言葉ですが、実は大昔の古典や兵法でも重要な考え方として書かれています。(ボトルネックとは書いてませんが)

ボトルネックは、『生産性を低下させる要因となっている部分(ボトルネック)を改善して生産性を高めていく』考え方になります。
書籍の中では制約条件の理論として、生産性を低下させるボトルネックの徹底的な改善について物語で書かれています。
現在では、トヨタなどの製造業はもちろんのこと、コーチングや組織のパフォーマンス、日常のタスク管理など多岐に渡って応用されています。

店舗営業においては、顧客支持の高い機種を導入していても、その機種が伝わらない状態であれば『伝わらないプロモーション』がボトルネックになっており、素晴らしい営業施策を実施していても、自店のファン化が進まないのであれば『自店とお客様をつなげる要素が不足していること』がボトルネックになっています。
ちなみに、人材育成は、【お客様へのお役立ちで業績を上げていく『お役立ち思考の人材』】を育成することですが、その過程でも組織のパフォーマンスを下げる考え方や行動がボトルネックになって人材育成が進まないといったケースも散見されます。

年末年始は“いろんなタイプのお客様が来店する”ので総点検のチャンス!


常々コラムで書いていることですが、パチンコやスロットを人生の楽しみの一つにしてもらい、継続して来店して下さるファンになってもらうには、そうなる為のプロセスをお店がサポートする必要があります。
誰でも初めはビギナーで、そこからライトユーザーになりヘビーユーザーになっていきます。
前回コラムで書いた私が考える業界にとって最重要指標は『年代別の参加率』を高めることです。

ビギナーからファンになる、休眠ユーザーが再度ファンになる確率を高めるには、そのプロセスの中にある営業施策で、【何かしらがボトルネックになっていないか】を総点検する必要があります。
例えば、年末の大型入替や集客施策で来店促進したとしても、リピート施策が不足していればリピート率は下がるので、リピート施策の内容が業績を上げるためのボトルネックになっている可能性があります。

そこで、年末年始はライトユーザーの方々や久しぶりに来店される方など多岐に渡るので、そのようなお客様の動向を観察していくと『何で困っているのか?』『現状のトレンドを知らないお客様は何を遊技するのか?』『どの機種の稼働が普段よりも上がるのか?』『店内でどのような行動をするのか?』などなど、業績を低下させる自店のボトルネックを総点検できます。
男女別、年代別、来店時間別、知識量別・・・・・で多方面からファン化を阻害するものをチェックしていけます。
大きな流れと店舗の営業施策としてチェックして欲しいのは、『増客プロセス』『戦略シナリオ』となります。(何度もコラムに添付している図になりますが)


増客プロセスのボトルネックをチェックする





細かい説明は省きますが、業績向上は『新規顧客獲得』と『既存顧客リピート』の量によります。
その為には、『潜在顧客』へのアプローチから始まり、自店を良い印象で知って頂くことで『見込み顧客』の段階に進み、良い印象で知っている方への来店促進で『新規顧客獲得』の段階に進みます。

『新規顧客獲得』をするための営業施策が無ければ、そこがボトルネックになって新規来店からのリピート率は下がるので、どうリピートしてもらうかの施策を改善する必要があります。
『既存顧客リピート』では、関係性が浅い段階から深い段階まであるので、いかに自店とのつながりを強めてもらうかの営業施策が必要になります。


店舗内で『新規顧客獲得』『既存顧客リピート』を促進する戦略シナリオ


(前回コラムにも掲載している図です)



自店に来店したお客様の中でも特に、『ライトユーザーがファン化する流れ』を目的にして営業施策を準備しないと、『新規顧客獲得』『既存顧客リピート』の確率が低下します。
上記の図を戦略シナリオと言っていますが、自店ではどこがボトルネックになっているのかをチェックする項目になります。
前回コラムで、人気がある機種やコーナーでファンを獲得することや、インパクトのある機種があるときに同系統のカテゴリーも同時に訴求するというのは、『分からないお客様でもリピート率が高まる機種とつながってもらう』ことが目的です。
私の息子が初めて友達とスロットを遊技したとき、「リゼロがあったから打ったけどつまらなかった」ということを言われました。(6号機初めのリゼロで、業界としては機種評価の結論がでていた時期です)

ビギナーの方は知っているコンテンツの機種を選択するという典型的なものですが、その結果として息子は離反ユーザーになりました。
このようなことは、私たちがデータで検証できないところで起こっているので、証拠が無いから誰も重要視しないが、これを重要なことと認識することでボトルネックがどこなのかもチェックしていけます。

『分け方』『提案の仕方』に加えて【価値が伝わっているか?】もチェックする!


昨今、お店の告知物やプロモーションツールが非常にシンプルになっていると感じています。
皆さまそれぞれ考えがあって実施していると思いますが、今一度「ライトユーザーの方々が好みの機種をなんとなくでも探せるか?」という側面でチェックしていくと、『お客様と台のつながり』の成功確率が高められます。

人気の機種や、顧客支持が得られている機種とつながる確率を高めることが業績とリピートの可能性を高めることに直結します。
重要なことなので前回コラムでも詳しく書きましたが、今一度『総点検』を実施して、プロモーションの方法がボトルネックになっていないかをチェックして欲しいと思います。

直近の例ですが、私の長女(2○才)が旦那さんと気晴らしにスロットを打ったとLINEがありました。
L北斗の拳を打ったようですが、長女は私の妻の実家に置いてあった4号機北斗の拳を息子と子供の頃にがっつり遊んでいた経験があります。
実際の店舗ではビギナーの長女ですが、たまたま知っているコンテンツであり、実家で遊んだ記憶があったので遊技したようです。(9千円勝ったと報告あり)

業界人の私たちにとっては、L北斗の拳よりも他の機種に気持ちが向いていますが、ビギナーやライトユーザーの方たちにとっては機種鮮度は関係ありません。
『お客様と台のつながり』で、自身が興味があるものを選択します。

年末年始は特に自然と稼働が上がる機種をチェックするのと、どんなお客様が遊技されているかを確認することで、【何を、どのように伝えるか】【伝わっているか】を思考できます。
ビギナーやライトユーザーのお客様がリピートするという成功確率を高めるには、伝え方がボトルネックになっていないかを点検することが必須です。


おわりに


前回コラムではマジョリティ層をファンにする考え方も書いています。
今回コラムと併せてお読みいただければボトルネックの総点検がやりやすくなります。
2025年も機械台への投資に加えてユニットの投資も重なります。
小さくてもプラス要因は『追い風』として活用できれば投資に対する業績アップ確率も高まります。

しかし、見えているようで見えていない【ボトルネック】によって、せっかくの追い風を活かせないのは勿体ないことなので、年末年始の営業からヒントを得て、そこから改善していく流れを作ることをお勧めします。

年末年始が過ぎたら、1年でも最重要な4月とGWに向かいます。
4月は市場の流出入があるタイミングなので、市場に流入した新規顧客を獲得する、新社会人や新大学生を獲得するためにも、今回の取組みがより重要になってきます。

少し早いのですが、皆様今年もコラムをお読みいただき有難うございました。
来年も皆様にとって有意義なコラムを書いていきますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。


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このコラムを書いたのは
リスペクトマインド株式会社 代表取締役   武内 臣介

パチンコ業界に1989年から関わり、日拓では最年少店長で10ヶ月連続店舗表彰や最年少営業職などを歴任し、若手として数々の実績を出し、転職したホール企業では5年間パチンコ50000発、スロット18000枚を1ヶ月も下回らない実績を残す。

2007年の独立後は、ホール企業様の支援を、ホールの専門家として完全応用した『勝つ為のランチェスター戦略』と『差別化価値を作る【コト視点の価値づくり】』で業績向上の結果を出すことと、勝ち抜く社内戦略家育成を継続実施中。
ランチェスター協会の正式なランチェスター戦略インストラクターでもあり、ホール企業支援で業界随一の『勝ち抜くランチェスター戦略』の使い手。
また、パチンコ業界外からの依頼も多く、『コト視点の価値づくり』『火種人材育成』は、魅力的な人材を組織に増やすだけでなく、強力なチームワークの組織にするカリキュラムとして人気が高い。

近年では、業界最大セミナーのJAPaNセミナーに毎年連続登壇し、受講者数上位講師としても活躍している。