CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2024-12-18
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人
2024年~【店舗数推移】を振り返ってみる。



2024年も師走を迎え今年の最終局面を迎えましたが、思えば今年も色々とありましたねぇ。
≪パチスロ≫においては、「スマスロへの移行」が顕著に表れ、「コイン単価=4円」と言う高射幸性が一つのキーポイントになったと思います。
≪パチンコ≫においては、「総量規制の緩和」により「ラッキートリガー」と言う遊技機性能の提案が、一つのキーポイントになったと思います。
≪ホール設備≫関連では、『準備をしていた』とは言え、やはり「新紙幣への改札」に加え、スマートユニットへの変更(増設)が、経営負担にボディブローのダメージがあったかと思います。

そんな背景があったホール業界ですが、さて【2024年の店舗数推移】は、『どうような状況になったのか?』
そして2025年は『どのような推移が予想されるのか?』について、2024年のラストコラムとして記しておきたいと思います。

まずは【15年前】に遡って、時代の推移を思い出してみましょう。





これは【5回目の遊技機の規則改正(※いわゆる「5号機時代の到来」のタイミング)】が施行された「2004年」の遊技機規則改正の影響も落ち着き、「2009年~2014年」の【安定の5年間】にありました。
ご覧の通り、店舗数は微減しているものの、パチスロの復調により『遊技機の設置台数が増えている』時期でもあり、伴って「店舗の大型化」が進み、1店舗の平均設置台数が『遂に400台を超えた』と言う時代になりました。
その後「2016年」以降は、「パチンコの低迷」と「店舗大型化」の影響もあり、一気に【10,000店舗】時代に向かう事となりました。
この期間(10年スパン)で見るならば、後半「2015年からの減退」傾向から、「2008年末の店舗数=12,937店舗」から「2018年末の店舗数=10,060店舗」と、10年間で「2,877店舗の減少」(▲22.2%)と言う流れになりました

そしてこのような「パチスロ安定期」と言う背景の中、そこの後に【6回目の遊技機の規則改正(※いわゆる「6号機時代」)を迎える事となります。更には「コロナ禍の襲来」と言うダブルパンチを喰らう事となり、【遊技参加人口】は「1,000万人」時代から一気に「700万人」時代の到来となりました。


遊技機規則改正後の流れ





これが【近々6年間の店舗推移】で、1年間の店舗減少数が『毎年500店舗を超える』時代となりました。
世では『パチンコ市場はシュリンクしている』と言われている時代ですね(悲)
数字的には「10,000店舗時代から一気に7,000店舗時代へ」となり、特に【遊技機の設置台数】規模が、PS合算で『100万台が失われた』と言う事になり、この影響は当然ながら「遊技機メーカーの販売市場規模の縮小化」となる訳です。

パチンコ店市場の動向としては、当然の様に「大型店舗の生き残り」&「小型店舗の閉店」が相まってこのような結果を迎えるのですが、同時に「M&Aの活発化」が散見され、「法人変更も閉店の一つ」と考えるならば、実は『3,000店舗の閉店では済まない』とも容易に想像するのは容易い事でしょう。

そして。今年【2024年】の振り返り


上記の表に【TKCの推定】として、2024年の店舗数状況を記しておきましたが、数値的根拠としては、「健全化推進機構」の登録店舗数の推移を参考にしています。

参考


  • 「2024年1月1日=7,162店舗」⇒「2024年12月15日=6,712店舗」(▲450店舗・▲6.3%)
  • 「1月の7,162店舗」に関しては、が実数的に「閉店店舗の未提出~登録未抹消」事案も含まれている事から、推移はあっているものの、実店舗数的には、多くなっていると判断。
  • 機構側としては、2024年5月に「電子化による新しい誓約書の発行」を行っており、従来の「閉店店舗の未提出~登録未抹消」事案が一旦クリアされている状況


上記<参考>内容も含め、2024年年末の登録店舗数を【6,700店舗(※休業店舗含む)】と算定していますが、今年の傾向としては、『店舗数の減少化は、一旦落着きを取り戻した』とも見て取れます。
これは「2021年~2023年」の3年間で、コロナ禍の影響もあり、弱体化しまった店舗の閉店含め遊技場市場からの撤退が加速され、ある意味一旦整理されたと言う見方も出来ますし、併せて「M&A」も一旦落着きを見せたとも見て取れます。

数字的に注目されるのは【【店舗台数】の規模が、『「500台」に限りなく近づいてきている』事が分かりますが、大型店舗の残存率の高さ(※M&A等での店舗残存含む)が顕著に表れちる事も影響していると思われます。


さて、これらの過去経緯を含めて【2025年の店舗市場推移】を予測してみましょう。


<結論>から申し上げると・・・『緩やかな店舗数の減少化として続く』と予想されます。

では・・・【緩やか】とは、『どの程度の数値推移になるのか?』


おそらく、2024年同様の推移であり、数字的には「350~400店舗の減少」と推測されます。よって、『まだ6,000店舗を下回る事は無い』と想定します。(※但し「一休業店舗=概ね150店舗程度」も含まれる)
この傾向の最大の要因としては、【スマート化への設備投資に対応出来ない】と言う法人側の問題に伴い、結果的に「店舗集客減退化」となる、ある意味「1つの経済的自然淘汰」の流れがある事です。併せて、「改札対応設備投資への断念」も含まれます。

では・・・店舗数減少化の【下げ止まり=安定化】は訪れるのか?


『いずれ訪れる事となります』が、それには現状の【遊技参加人口の下げ止まり】があると言う前提条件が必要になります。
仮に「現状のまま」で推移すると仮定するならば、それは【6,000店舗】がボーダーラインとなる事でしょう。
そしてそれは、『2025年中では無く、2026年の事』と予想されます。
つまり、「2025年=▲350店舗」・「2026年=▲350店舗」を経て、本当の意味での【6,000店舗時代】の市場となるでしょう。

しかしこれは、本質的には【需要と供給】の問題であり、「店舗数の問題では無く、遊技機台数の問題」でもあります。
つまり、「参加人口700万人」であれば、「遊技機の総台数は300万台」で十分の供給規模となり、それを確保・供給する店舗の合計が【結果的に6,000店舗】と言う事になります。
更には、個に時点で「1店舗平均=500台」を超えている可能性は高く、ざっくり計算すると・・・
「総台数=300万台」÷「1店舗平均=500台」=「6,000店舗」と言う考え方になります。
こうして見ると、現状では『まだ「30万台」程度が供給過多になっている』と言う状況と見て取る事も出来ます。

今後は、遊技機メーカーも【パチンコ店=6,000店舗市場】とした上で、新機種の年間販売台数が「パチンコ=100万台」「パチスロ=70万台」をボーダーラインとして、それに沿った経営戦略になると思われますし、新台購入店舗は「最大=4,000店舗」、の市場としての経営判断をする事になるでしょう。
そりゃ『10,000台売るのは大変』と言う状況が今後好転することは、完全に期待薄と言わざるを得ないですね(悩)

まとめ


結果論として、【緩やかに6,000店舗へ向かう】と予想される「2025年」ですが、逆に『あと2年間が踏ん張りどころ』&『あと2年乗り切れば安定期に入る』とも言えます。
『未来への不安はゼロには出来ない』状況は、業界内の全ての人達の心情ではあり、それは十分理解できるところですが、【ここからあと2年】を、『どう様に形成して行くのか?』が問われる、そんな【2025年】の未来予測となりました。

何はともあれ、『2025年も頑張りましょう』

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このコラムを書いたのは
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人

1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。

有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。

現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗