CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2025-01-15
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人
2025年の重要課題は【パチンコ新台入替で、稼働を上げる為の営業粗利思考】



【賀正】・・・新年あけましておめでとうございます


・・・『新年あけましておめでとうございます』
今年もまたCFYコラムにて、今年からは「月1回・月初の配信」予定ですので、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

『ビジネスの目的は?』と聞かれれば、多くの人は『利益創造の為』と答える事でしょうし、それは正しい。
そしてその利益の先には、「会社の発展」、「社員の福利」、「雇用の創造」、「社会貢献」等々があり、次の未来を作って行ける事となります。
そこで今回、2025年年頭のコラムとして【2025年の最重要課題】として【パチンコ店の粗利構築】について記しておきたいと思います。

【3つの計数】の再確認


では先ず、パチンコ店営業の【営業粗利(※補正値の場合も含む)】に関する【3つの計数】の再確認です。

  1. (1)
    玉(コイン)粗利(又は、時間粗利)
  2. (2)
    粗利率(%)
  3. (3)
    台粗利額(/日)

これら計数は『それぞれに意味を持ち、それぞれ重要である』事は当然の事なのですが、一つの数値管理に拘ってしまう事で、ホール営業にとって今、最も重要である≪稼働≫を左右する事にも繋がり兼ねません。
だからこそ、この【3つの計数】が「パチンコ店営業=経営=利益確保」において、どのような意味を持ち、どう思考する事で「稼働安定、稼働アップ」に繋がるのか?を再確認し、2025年「年頭のテーマ」として記しておきたいと思います。

(1)<玉(コイン)粗利>と言う計数管理


先ずは、この計数値から【店舗営業粗利を求める】為の計算式の確認。
誰もがご存じの通りですが・・・

「玉(コイン)粗利」×「台平均アウト」×「設置台数」×「日数」

ホール営業において「遊技機を運用する」上で、重要且つ最適な計数で、プレイヤーの「負ける」と言う負担額を均一化にする為の計数でもあります。
更には「1パチ=0.1円」「4パチ=0.3円」、「5スロ=0.15円」「20スロ=0.4円」など、種別分類別または遊技機別にて、計数管理する指数にも有り得ます。

更に、この「玉(コイン)粗利」と言う数値は、店舗全体の【営業シミュレーション】を考える上で必要な数値であり、ホール全体の営業粗利をシミュレーションする事が可能になります。
また、この玉(コイン)粗利に、パチンコなら「×6,000」、パチスロなら「×2,634」で、【(最大)時間粗利】と言う数字に変換する事も可能となります。
但し、現実的な時間粗利ならば、更に「×0.8」と言う係数を掛けた数字が適切と言えるでしょう。(※プレイヤーは1時間の内、「概ね20%程度」は打っていないので、時間稼働は「パチンコ=4,800個」「パチスロ=2,100枚(700G相当)」

そしてコレを、【遊技料金/1h】」と言う概念で考える事も出来ますので、ちょっと逸れますが【比較】してみますと・・・
以下こんな感じになろうかと思われます。



全国的データを参照した「カテゴリー」&「貸玉種別」で恐縮ですが、ここで一つ疑問が生じます。
現実的に、これだけの【玉粗利=時間粗利=遊技料金/1h】の差がありますが・・・これを維持し続ける事は、『未来の稼働貢献・維持に役立つと思いますか?』
正直、この状態を維持し続けていては、遊技客数の偏り、及び結果的に稼働の偏りが生じる事となるでしょうし、明らかに【4円パチンコの稼働が低迷している原因の一つ】と言わざるを得ません。
これが、【玉(コイン)粗利】を軸とした計数管理の「現実=弊害」である事を再確認する事も大事な事かと思います。

(2)<利益率>と言う計数管理


この計数値から【店舗営業粗利を求める】為の計算式の確認。
誰もがご存じの通りですが・・・「利益率」×「台売上」×「設置台数」×「日数」。
ザックリ言うならば、「ホール営業管理には全く適さない計数」であり、法人企業として見る数値になります。
特に、企業の経営状況を相対比較する場合、「他業種」・「他の同種法人」または、「自社の年度比較」等に必要であり、営業管理と言うより、本社による企業管理に適した計数になるでしょう。

時折耳にする、『ウチは、利益率〇〇%』ならまだ良いのですが、『この機種は利益率●●%で』などと言う思考や表現は、営業現場においては不要であり、極論『邪魔な思考でしかない』という事になります。
もしも、こんな事を社長がホール現場に言い出したら、店長さんは優しくスルーしてあげましょう(汗)

但し、この【利益率】と言う数字は、会社経営にとって非常に重要であり、例えば銀行融資査定が必要な場合には、前年対比として重要であり、会社の存続にも関わってくる事もありますので、営業管理には適さないが『会社管理には必要不可欠である』と認識しておく事は、経営と言う概念を持つべき管理職の人は、『把握しておく事に越したことはない』計数です。

(3)<台粗利>と言う計数管理


この計数値から【店舗営業粗利を求める】為の計算式の確認。
誰もがご存じの通りですが・・・「台粗利」×「設置台数」×「日数」。
よく言われる言葉に、この『台粗利を算出する為に、「玉粗利×アウト」や「売上×利益率」が必要になる』と言われたりしますが、(A)【台粗利は結果論】として計算するのか?もしくは、(B)【台粗利は目標数値】として捉えるのか?の「2つ方向性」によって、考え方は大きく変わります。
『どちらも正しい』とも言えるのですが、店舗粗利構築の為には【台粗利は目標数値として捉える】思考がベターと言えます。

簡単に言うと・・・

  1. (A)
    【台粗利は結果論】と言う思考で、「玉粗利×アウト」を先にシミュレーション数値に組み込むと、「アウト値」が想定以下になった場合、確実に粗利が足りなくなります。(結果的に、それを補う為に他機種に過度な負担を強いる。または玉粗利を上昇させる事になる)
  2. (B)
    【台粗利は目標数値】と言う思考ですと、稼働低下した際「結果的に玉粗利を上昇させる事になる」訳で、同じ様に見えますが、問題は【稼働が高いタイミング】の話が大きく変わります。

但し、この思考は「新台入替(中古でも可)が可能の場合」と言う必要条件が付いてしまいます。
(新機種入替が無いケースでは、(期間で見た)アウト値の変動が小さいので、現状維持を保っていく他にありません。)



≪さて、ここからが重要なテーマであり、今回のコラム「テーマの本質」となります≫
※、以下の論理には、「新台(中古含む)入替をする」と言う前提ですので、その点に留意願います。

3つの計数「玉(コイン)粗利・利益率・台粗利」


粗利の「指標=計数」には、前述したように、(1)<玉(コイン)粗利>・(2)<利益率>・(3)<台粗利>と言う【3つの計数】があります。
その計数管理の思考から、『これから稼働を上げて行くための粗利計数とはどれか?』と言う問題です。
結果から申し上げますと、「(3)の<台粗利>である!」・・・と言う答えになります。

リスクはあるけれど、稼動アップのチャンスを探る


厳密に言うならば、【リスクはあるけれど、稼動アップのチャンスを探る】と言う事になります。
まず、新・旧台において<玉粗利を揃える>と言う管理は、結果的に「稼動が上がれば台粗利も増える」と言う結果になる。それはつまり、プレイヤーは『打てば打つほど、負け額が大きくなる』と言う結果を伴っています。
逆に<台粗利を固定する>と言う管理は、「稼働時間に関係なく遊技料金が固定されている。」事になります。

具体策としては、新台入替とした際に「分類機種の平均粗利で運用する」事にチャレンジしてみて欲しい。
仮に「アウト=10,000個」で「台粗利=4,000円」であれば、新台アウト=40,000個でも同じ「台粗利=4,000円」で営業するのである。
結果的に、「高稼働台の玉粗利は下がる」事になる訳だが、粗利構築の思考を『玉粗利を揃えるでは無く、台粗利を揃える』のである。

無論、結果的に「稼働が下がれば玉粗利は上がる」事になるのだが、重要なのは『稼働が下がるのを食い止める』または『稼働低下率を下小さくする』事が必要となります。
更には、新台の毎機種、または全機種にチャレンジするのではなく、稼働延命を期待する機種に絞って運用する事も大事になる。
なぜならば、新台全台に対して毎回チャレンジすると、稼働貢献力は上がるのですが、月末の「月間粗利の構築に無理が掛かる」可能性がるからです。

いずれにしても、パチンコ新台入替で『(ゆっくりでも良いので)店舗平均稼働を上げたい』と考えるならば、無理のない範囲(台数)で良いので、1度【台粗利均一運用】にチャレンジする事をオススメします。
2025年、これ以上の「4円パチンコの稼働低下」は、未来の店舗運営の命取りとなります。
『だからこそ、その前に!!』
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このコラムを書いたのは
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ 代表取締役社長   髙橋 正人

1962年(昭和37年)4月29日、愛知県名古屋市に生まれる。その後、幼少期に長野県に転居し、20歳の時にパチンコ店勤務を始め、その後、「ホールスタッフ~店長職~本部長職」を経験し、「パチンコの運用・活用に特化したコンサルタント」として39歳で独立し現在に至るが、現在「業界歴最長クラスのコンサルタント」になってしまった。

有限会社トータル・ノウ・コネクションズとして、2005年5月、長野県長野市に設立。
英語表記「Total Know Connections」の頭文字をとって、通称「TKC」として活動中。

現在、X(旧Twitter)アカウント【ゼウス髙橋】として、業界向けだけでは無く、ユーザーさん向けに情報発信を継続しつつ、フォロワー数=10,000人を目指している(汗