CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2023-10-11
株式会社THINX代表取締役   𠮷元 一夢
増収度合いの違い ~ 大きく増収できた店舗の特徴 ~

統計士(データアナリスト)が魅せるデータでデザインする未来の姿「増収度合いの違い ~ 大きく増収できた店舗の特徴 ~」



本稿執筆は10月4日。数十万人単位の遊技客データを基に単一機種ごと遊技者割合を降順で算出すると、「エヴァ咆哮」が11%、次いで「SAO」6%、「Reゼロ鬼がかり」と「ガンダムシード」が5%となっている。一方パチスロはというと、「北斗」が7%というだけで、あとは“それ以外”という状況。

参考までに解説しておくと、今お伝えした数値は頭どりデータのような“点”の観測を基にしたものではなく、営業時間内に対象機種を遊技したプレイヤーの総数から算出した数値となるため、“線”として捉えられたデータとなりリアルに近い。

いずれにせよ、ぱちんこパチスロ問わず、今は特定機種にユーザーの支持が偏る市場環境となっており、戦略構想はシンプルで立てやすいといったのが現在の環境だと考えている。

増収度合いの差


さて、こうした環境下であの手この手と戦略を走らせて日々営業していると思うが、“昨年に比べて”という文脈に従えばほとんどのホールが増収に成功している。言わずもがな、20円パチスロ(20S)が後押ししており、昨年とは別物の機械が影響しているのだろう。

その意味では、20Sが伸びるのはある種の“自然現象”と呼べるのかもしれない。ともすれば、手放しで喜べない側面があると感じている。

職業柄、そんなことを考えていると個別店舗単位での増収度合いが気になったので分析を進めてみた。すると面白いデータが見えてきた。分析前は「20Sで強烈に業績を伸ばせたホールが大きく増収した」とあたりをつけていたのだが、実はそうではなさそうな事がわかった。


4月~9月
店舗全体の増収20円パチスロ4円パチンコ
100%~109%
110%~119%
120%~129%
表1:増収レンジ ©THINX調べ

上表でまとめたとおり、前年と比較して100%~119%の増収に成功している店舗の業績は軒並み4Pが減少したとしても20Sの上昇でカバーできている状態が多い。ただし120%以上の増収になってくると4Pが横這い、あるいは上昇を示さない限り難しいことが浮かび上がっている。

つまり、「4Pを頑張る」という行為は一見すると非合理に写るかもしれないが、盲点を突いたキラーパス的な要素を担っており、それが強烈なインパクトに繋がっているという話である。

年末商戦に向けて


4Pも蔑ろにできない。そう感じた方も多いと思うがぱちんこ部門の縮小は著しい。したがって、店舗のポジショニングによって正しい判断が求められるだろう。ようするに、4Pでキラーパスを通しに行っても大丈夫な店舗なのか、あるいはそうではないのかの判断が重要だという話である。

もし仮に、4Pで戦いづらい環境であるならば、シンプルに自然現象的な伸びを見せる20Sで突き抜ける方がやり易いのかもしれない。

年末に控える「シン・エヴァ」の行く末を論じる前に、まずはこの辺りの戦略構想から考え、年末に備える方が良い気がしている。

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このコラムを書いたのは
株式会社THINX代表取締役   𠮷元 一夢

𠮷元 一夢 よしもと・ひとむ
株式会社THINX 代表取締役

データアナリスト・統計士
1986年生まれ。文部科学省認定統計士課程修了。
現在は、IT企業のシステム開発やソフトウェア開発にアドバイザリーとして従事しながら、パチンコホール・戦略系コンサルタントとして活動。
そのかたわら、2021年、会員制情報配信サイト「THINX-LAB.」をリリースし、知見やノウハウの提供を開始。2022年、業界紙「TRYSEM CROSS」を出版し、現在も刊行中である。

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