CFY COLUMN
シー・エフ・ワイ コラム
2021-01-06
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信
2021年を乗り越えるために今からすべきこと


早いもので、2020年も終わり2021年となりました。新型コロナウイルスが2020年2月から流行し、全国に感染を広げていき、外出自粛が前提となり、店舗ビジネスに大きなダメージを与えていきました。毎月コラムでも書かせてもらっていますが、パチンコ業界の市場規模は、去年対比で80%となっています。そこに追い打ちをかけたのが、設置機種の撤去問題・スペック規制が重なったことです。このことから、最低出率も引き上げ、玉単価の減少で粗利率も引き下げられていることから、思うように利益確保が出来ていない企業が多いです。

2021年はこの状況から回復するのでしょうか?2020年9,10月が全国的に感染者も少なく、新型コロナウイルスに慣れてきた時期でした。その時期でさえもぱちんこ業界は昨年対比80%という状況でした。つまり、今の第3波の状況から落ち着いていくとしても、80%がやっとの状況となるでしょう。唯一80%以上回復となるには、「 ワクチンが開発されること 」です。それ以外での市場の回復はありえないと予想できます。そのため、2021年GWまでを戦い抜くためには、商圏客数80%になっている前提で計画を組んで頂く必要があります。当然ですが、利益が大きく足りませんので、二次商圏まで広げた際に、どれだけ客数を取る必要があるのかを試算していただく必要があります。

つまりこの状況におけり注意点として、集客において重要なチラシやDM等の販促費を闇雲に削減している店舗が多いです。数字的に削減を決めているならば良いのですが、そうでないのならば逆効果に働く可能性が高いですので注意しましょう。販促費を削らないようにするために、それ以外の自動販売機手数料やコピー機等の部分で削減を意識してください。

2020年に業績を回復させて、2019年同月対比で維持できた企業様の共通点としてあげていくと、

  1. ①二次商圏集客
  2. ②会員分析
  3. ③スロットバラエティ

の3点でした。

①については、前述しているように、商圏客数が減っています。そのため、二次商圏にまで広げてピーク日の集客を意識すること、WEB販促を活用して新規客を獲得することにチャレンジする必要があるとお伝えしています。

②については、常連客が2月対比で40%減少していることがあり、難易度としても新規客 < 常連客の復活のため、そこに特化した販促を行っていくこと、アプローチ方法をお伝えさせていただきました。

③については、5号機、CR機撤去、スペックダウンという外部環境において、メインとなる機種がなくなることから、バラエティ機種強化のモデル開発が必要です。そのため、まだスペックの高い機種が残っているうちに強化をしていくことが2021年に向けた下準備になるとお伝えしています。

この3つを取り組んでいる企業様は、商圏人口が3万人ですが、それでも昨対業績が100%を維持、客数シェアは7%上がっています。まだ、取り組まれていない企業様は、早く取り組まれていくことをおすすめしております。

上記①~③とありますが、特に②は早急に取り組むことをおすすめします。理由としては、大きく投資がかかるものでもなく、時間がかかるものでもありません。そのため、明日からでも取り組むことができます。まずは会員データを見ることから始めましょう。会員データを確認していただき、2-3月の会員来店数を確認します。そして、7-8月、9-10月、11-12月の会員来店数を確認します。これにより、特定の会員が2-3月対比で、どれだけ来店頻度がへっているかを把握することができます。

この数字を確認したうえで、危険度ABCランクを作っていきます。2-3月対比で来店が0になっている方もいらっしゃいます。最優先で復活すべき人がわかってくるため、その方に向けた手書きの手紙を書きます。特に、来店ポイントを高頻度で使っている会員に対しては、来店ポイント交換会(コロナ対策を徹底している様子)の様子やスタッフの集合写真をあわせてお送りしましょう。

また、会員番号等がわかると思いますので、来店アラートを設定しておき、久しぶりの会員には積極的に接客、コミュニケーションを取るようにしましょう。店舗的には、業績も厳しいと思いますので、粗利率も高いとは思います。そのため、接客でカバーすることが必要不可欠です。ここまでであれば、設備的にも難しい企業様でも取り組むことができます。まずは、分析をすることから始めていきましょう。

2020年は新型コロナウイルスが猛威をふるった1年間でした。9割以上の企業様が業績が落ち込んだと思います。それでも、これをチャンスと捉える、前を向くということを忘れてはいけません。まだまだ、できることはたくさんあります。我々も全力で情報共有、お手伝いをさせていただきますので、2021年は笑顔で年末を迎えられることを祈っております。
このコラムを書いたのは
株式会社船井総合研究所
アミューズメント支援部
シニア経営コンサルタント
パチンコグループマネージャー   渡邊 龍信

国立大学 理学部数学科卒業。国立大学大学院 応用数学科卒業。アミューズメント支援部新卒入社史上最年少でチームリーダーに着任から、最年少でグループマネージャーに着任。400台以上の大型スロット専門店立ち上げ実績は10件以上携わっており、スロット増台成功実績は40件以上、多数の20円スロット業績アップ実績をもっている。直近2年間の高射幸機に頼らない増収増益方法を指導しており、20円スロットの業績アップの実績は、元スロプロで培った超ユーザー目線と、大学での数学の知識を駆使した数理マーケティングで「 高精度な 」時流予測とスロット機種分析によって実現している。
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